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身内に甘い処分…ひき逃げや横領、懲戒せず

 北海道警が2015年、ひき逃げや横領、傷害など法令違反が疑われる警察官の不祥事案を訓戒処分にとどめていたことが31日、毎日新聞の情報公開請求で分かった。道警はこれらの不祥事を公表せず、毎日新聞の取材にも詳しい内容や刑事処分の有無について説明しなかった。有識者から「処分は甘すぎる」と批判の声が出ている。【袴田貴行、安達恒太郎】

 道警によると、地方公務員法に定められた懲戒処分(免職▽停職▽減給▽戒告)に至らない監督責任や規律違反などについて、内規で「監督上の措置」と位置付け、計6種類の訓戒と注意処分を規定している。

 毎日新聞は3月、15年の「監督上の措置」について道警に情報公開請求をし、計141件の処分日、処分内容、階級などが公開された。内訳は処分の重い順に▽警察本部長訓戒15件▽方面本部長訓戒27件▽所属長訓戒52件▽警察本部長注意1件▽所属長注意46件。処分された警察官らの氏名や所属は非公表だった。

 警察本部長訓戒の中には▽ひき逃げ行為をし、相手に傷を負わさせた=巡査▽私的管理金を横領するなどした=巡査▽同僚職員に傷害を負わせた=巡査長−−などがあった。方面本部長訓戒にも、職務上知り得た個人情報を利用し、部外異性に不安を与えるメールを送信するなどした=巡査部長−−などの事案があった。

 道警監察官室は毎日新聞の取材に「プライバシー保護の観点から訓戒処分は原則として公表していない」として詳しい内容や刑事処分をしたかどうかについて説明を拒否した。処分の軽重の判断理由については「内部指針に照らして判断した。悪質性の高い事案を訓戒や注意で済ませていることはない」としている。

 道警の処分をめぐって15年12月、毎日新聞による情報公開請求などで同年1〜10月の懲戒処分17件中13件が公表されていなかったことが判明。このうち8件は、強制わいせつや住居侵入など法令違反が疑われる内容だったが道警は「公表基準に合致していない」とし刑事処分の有無などを明らかにしなかった。

許されない行為…ジャーナリストの大谷昭宏さんの話

 ひき逃げや横領、傷害などはれっきとした犯罪。訓戒処分にとどめて市民の目に触れないようにすることは許されない。身内に甘い処分を続ければ、いつまでも道警から不祥事はなくならない。

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