あることがきっかけで強い洗脳を受けた元主婦、江上志麻子。彼女を襲った、幸せな家庭を壊した本当の真実とは?全てを明らかにするため、
志麻子の脱洗脳を試みる心理セラピスト 小田島霧花。志麻子の親友であり、ビデオ・ジャーナリストの鷲巣みなみが、
洗脳を解く過程をカメラで追う。そこに映し出された恐るべき事実とはー。
「放送禁止」シリーズ劇場版三作目。
シリーズの中でも比較的観やすい一作。
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EVIL IRON IMAGE
今回のテーマは、脱洗脳。
カリスマ主婦ブロガーとしての名前を利用し開いた料理教室で、カモとなる主婦を見つけては洗脳し寄生する久慈マリア。
江上志麻子もそんな被害者の一人。
久慈マリアに洗脳され、家庭は崩壊。
しかしあるとき久慈マリアが失踪、志麻子の家が火事に。
志麻子の友人でありジャーナリストの鷲巣みなみは、心理セラピスト 小田島霧花の協力の下、志麻子の脱洗脳を開始する、というストーリー。
「放送禁止」シリーズの映画は「邪悪なる鉄~」も含め三作。
TV版 | 劇場版 |
ある呪われた大家族 | ニッポンの大家族 Saiko! The Large family |
デスリミット | 密着68日 復讐執行人 |
邪悪なる鉄のイメージ |
劇場版1、2作目は、テレビの続編、後日談。
今回の「邪悪なる鉄のイメージ」は劇場版だけでの完結。
放送禁止シリーズは、表面上撮影されているドキュメンタリーの裏側を読むことを楽しむモキュメンタリー(ドキュメンタリー風に見せたフィクション作品)。
画面の端に写り込んでいるものの意味を考えてみたり、名前のアナグラムやセリフの端々になにかしらのメッセージやヒントがないか?を考えながら謎解きしつつ観るのが鑑賞スタイル。
シリーズの中でも今作は比較的わかりやすく、複雑でもなくわかりやすい。
「放送禁止」を見慣れていない人向き。
ここまでが、ネタバレなしで。
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真相
ではネタバレありを以下。
まず“邪悪なる鉄のイメージ”のアナグラム。
EVIL(邪悪)→LIVE(生きている)
IRON(鉄)→NORI(乃里)
IMAGE(イメージ)→EGAMI(江上)
江上・乃理・生きている
のアナグラムは容易。
小田島霧花と鷲巣みなみが屋根裏から監視カメラの映像を観ているカットで毎回心理学の初心者向けの本が並んでいるのは、江上志麻子と小田島霧花の入れ替えを示唆してる、とはいえあの突然の展開は面白かった(最初の紹介テロップの位置が微妙にずらしてある)。
意味ありげに映り込む9つの扇子はいろいろネットでも説があるらしく
9扇子→9センス→6センスと逆
という説や
扇9→大菊:花言葉「あなたを心から愛します」
という説がある。
“真相”を整理するとこんな感じ。
ある日、久慈マリアを襲い自殺に見せかけ殺害する志麻子の元夫 孟(自殺現場に映り込むタバコの空箱の銘柄は孟が吸っているもの。コンビニの防犯カメラにトラックと降りる本人が映り込んでる)。
しかし久慈マリアを失った江上志麻子の家が火事に。
ストーキングしていた孟は燃え盛る家から志麻子と息子の乃理を助け出す。
鷲巣みなみは、小田島霧花の協力の下で志麻子の洗脳を解こうとするが、息子を火事で死なせたと思い込んでいる志麻子は現実を拒否し、脱洗脳に抵抗するため自身の中に小田島霧花(偽)の人格を作り出す。
そこで小田島霧花は、その状況を利用し霧花(偽)に対し自分が志麻子を演じる施術を開始。
ここから映画はスタート。
入れ替わった心理セラピスト 霧花(偽)の小田島霧花が演じる志麻子。
志麻子は、監視カメラの映像に息子の影を鏡に写り込ませたり、“EGAMI NORI LIVE”というアナグラムを見せる。
そして霧花(偽)は全ての黒幕が鷲巣みなみだという偽の結論にたどり着く(自分の罪から逃げるために)。
霧花は、霧花(偽)が久慈マリアを否定した発言を使い霧花(偽)の人格を抑えこむことに成功。
ここで霧花(偽)の人格が消え、志麻子自身に戻る。
志麻子は自分が息子を火事で死なせた事実を認め死のうとする、がそこへ生きていた息子が登場。
二人で再び住み始める。
(ここまで窓の外に何度も孟とトラックが映り込む)
……が、ざっくりした流れ。
余ったヒント
こぼれたパーツとしては、
・鷲巣みなみ→Wash Is Minami→洗脳している(されている)のはみなみ
はどこでの回収が正しいのか。
これが霧花(偽)が「アナタが全ての元凶なのよ!」とみなみを追い詰めるところでの回収(レッドヘリング)なら取りこぼれがない。
しかしそこでないなら鷲巣みなみ黒幕説が浮上する。
そして火事の原因も漠然としているわけですが……久慈マリアがいなくなったストレスで志麻子が夫の残したタバコを吸いそれが出火原因になった、というのが素直な読み方。
火事を起こしたのは鷲巣みなみであり新たに洗脳していると読むと混迷の度を深める。
まぁ、素直に読むのが一番健全な気がする。
劇場版の出来としては
大家族<<邪悪なる鉄のイメージ<<復讐執行人
といった印象。
復讐執行人は、TV版のデスリミットのクオリティも高かった。
放送禁止シリーズにしては、珍しいハッピーエンド(窓の外に守護天使なストーカー夫がいるけど)なのでオススメしやすい印象の一作。
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