筋肉をつけるためにバーベルトレーニングが最も効率的だとぼくは考えているが、ジムに行けない人も多いだろう。そんな人のために今回は自宅で行えるトレーニングを紹介していこうと思う。
と言うのも、ぼく自身が仕事が少し忙しくなりジムでトレーニングするのが難しくなっているので、自分用の備忘録として残したいという事情もある。
自重種目で効率的にトレーニングできるプログラムをぼくなりに考えて紹介するので参考になればうれしい。
もちろん筋肉をつけるだけでなく、ダイエット中の方にも参考にしてほしい。
1.自重トレーニングのメリットとデメリット
メリット
- 時間・場所を問わずにトレーニングができる
- お金がかからない
- しっかりと行えばそれなりに”いい体”になれる
デメリット
- 筋力・筋量向上の効果はバーベルトレーニングに大きく劣る
- 自宅でのトレーニングはモチベーションの維持が難しい
- バーベルトレーニングよりフォームが安定しない場合が多い
- 負荷の調整が難しい
一般的に言うところの痩せマッチョや細マッチョ(矛盾した言葉だが)レベルであれば自重トレーニングでも十分に目指せるとぼくは考えている。しかし、筋肉隆々の体を目指すのであれば間違いなくジムに行ったほうが効率的だ。
2.オススメの自重トレーニング種目
完全に器具が必要ないタイプのトレーニング。一切のお金をかけずにどこでも行えるのがメリット。自重トレーニングと言えば一般的にはこれらのトレーニングを思い浮かべるのではないだろうか?
腕立て伏せ/Push Up
- 顔を上げず、二重あごを作るイメージで顎を引く
- お尻に力を入れて身体を真っ直ぐに保つ
- 真上から見た時に胴体に対して上腕が45°程度の角度になるようにする
- 顎ではなく胸で地面をタッチする
おそらく自重トレーニングで最もポピュラーな種目ではないだろうか?そして最も間違ったフォームで行われている種目の1つである。
回数をこなす事を目的にしてしまうと楽をするためのフォームになりそれがクセになるので上記のポイントを意識して行って欲しい。とにかく身体を真っ直ぐにキープする意識をもって行う。
多くのトレーニーがベンチプレスと比較して腕立て伏せは負荷が弱すぎると言うが、それは間違いだ。適切なフォームで行えば腕や胸まわりをトレーニングできる。
また、ベンチプレスでは身体はベンチに支えられているが、腕立て伏せは自身で体幹部を支える必要があることや、肩甲骨が腕立て伏せの方が自由に動かせる点、その他にも多くの優位な面がある。どちらが優れているかという比較に意味はない。
もし通常の腕立て伏せがキツければ膝をつけたフォームからスタートすればいい。
スクワット/Squat
- 膝を曲げるではなく、お尻を斜め後ろに下ろしていくイメージで下降する
- 膝の高さより臀部が低くなるまで下降する
- 重心は常にかかと
これも是非取り入れたい種目の1つ。動画では腕を曲げているが、前方に伸ばして行ってもOK。負荷が足りなければ片足で行う方法もあるが膝への負担が大きいので個人的にはオススメできない。
フロントプランク /Front Plank
- お尻とお腹にしっかりと力を入れる
- 顎を引く(二重顎を作るイメージ)
- 肘で地面をしっかりと押す
体幹の安定性を高めるトレーニングの中でも基本中の基本。体を一直線に保つことが重要。お尻が上がったり、下がったりしていないか出来れば誰かにチェックしてもらいたいが、スマホなどで撮影する方法もある。
リバース・ランジ/Reverse Lunge
- 前足の踵に重心をおく
- 上体は出来る限りまっすぐに
- お尻を意識して行う
個人的にオススメしたい種目。お尻を使う感覚を覚えて欲しい。
グルート・ブリッジ/glute bridge
- 腰や背中を反らせない
- 股関節で動作を行う
スクワットやランジでは臀部への刺激が分散されて少ない。そこで補助的にこの種目を取り入れることでしっかりと臀部を鍛えることが出来る。ヒップアップにオススメの種目。
ワンレッグ・ルーマニアンデッドリフト/1L RDL
- 軸足の膝を軽く緩めてその角度を動作中、常に保つ
- 胸を張り、背中と腰は真っ直ぐに保つ
ハムストリング(モモ裏)の柔軟性と筋力を向上することができる種目。バランスをとるのが少し難しいが慣れれば問題ないはず。
懸垂/Chin Up
- バーより顎を上げようと意識すると頸椎や腰椎を過伸展する可能性があるので無理に顎を上げる必要はない
- 足は曲げても、真っ直ぐでも良いが、しっかりと腹筋とお尻に力を入れて身体を真っ直ぐに保つ
- 肘をわきに持ってくる感覚で行う
器具が必要ではあるが、自重トレーニングの中では最高レベルの強度で腕幅によって背中から腕までトレーニングできる素晴らしい種目。 手幅が広ければ背中に刺激が入り、狭ければ腕に刺激が入りやすい。ジムでも取り入れたい種目。
グルートハムレイズ/Glute Ham Raise
- 筋力が弱いうちは動画のように手の力で補助をし、少しづつ手の力を使わないで動作することを目指す
- それでもキツければ、座布団などを身体の下に重ねて可動域を制限する
- 腰と背中は真っ直ぐに
名前の通り臀部(Glute)とハムストリング(Ham)を鍛える種目。非常に強度が高いので最初は手で補助しながら行い、少しづつ補助の力を弱めていく。パートナーがいれば足を抑えてもらい行うのもOK。
以上が、ぼくが効率的だと考える自重トレーニングとなる。このほかにもたくさんの種目があるが、基本的な種目を中心にトレーニングするのが最も効果的なはずだ。これらの種目で構成するトレーニングプログラムを次で紹介したいと思う。
3.自重種目で構成するトレーニングプログラム
ここからは自重トレーニングを利用した具体的なプログラムを考えていきたいと思う。その前にトレーニングプログラムを考える際に重要な知識を説明していく。
漸進性過負荷の原則
トレーニングにはいくつかの外せない原則がある。その中でも最も重要な原則がこの”漸進性過負荷の原則”だ。
過負荷はその通り、筋肉に対して通常より強い負荷を加えないと筋肉は成長しないという事だ。例えば腕立て伏せが10回、正しいフォームで行えるようになったら次は11回できるように、と言った具合にこれまで以上の負荷を筋肉に加えることで筋肉は成長していく。
漸進という言葉には”順を追って少しづつ進んでいくこと”という意味がある。これをトレーニングに当てはめると、負荷を上げるときはいきなり上げるのではなく少しづつ上げましょうという事になる。
その負荷の種類にも色々ある(重量、回数、セット数、インターバル時間、可動域etc…)が一般的には重量を増やしていく。しかし、自重トレーニングの場合、重量を増やすことが出来ない(厳密にいえば出来るが今回は器具が無い前提なので)ので回数を増やしていくことになる。
注意点は正しいフォームを維持できる範囲で負荷を上げていくことだ。めちゃくちゃなフォームで腕立て伏せが10回出来たから次回は11回を目指そう、などということが無いように。
4.自重トレーニングプログラムの1例
*プログラム内の回数などは1例なので体力レベルに応じて調整
プログラムA
- グルートハムレイズ 10回×3セット セット間1分半
- リバースランジ 10回(左右で計20回)×3セット 1分
- 懸垂 限界×3セット 1分半
- 腕立て伏せ 10回×3セット 1分
- プランク 3分×3セット 1分
プログラムB
- スクワット 15回×3セット 1分
- ワンレッグ・ルーマニアンデッドリフト 10回×3セット 1分
- グルートブリッジ 15回×3セット 1分
- 腕立て伏せ 10回×3セット 1分
- プランク 3分×3セット 1分
トレーニング頻度
- 1週目 月A 水B 金A
- 2週目 月B 水A 金B
- 3週目 月A …以下繰り返し
ウォームアップ
- 軽い有酸素運動
- スクワットを適度に行う
- などで適度に体温を上げトレーニングの準備をする
クールダウン
- 静的ストレッチ(ゆっくりと伸ばすストレッチ)を行う
- 呼吸を整える程度の有酸素運動
5.注意点
- あくまでもこのプログラムは1例 自身の体力レベルや目的に応じて回数や種目の調整を行う
- 基本的に動作はゆっくりと行う
- なによりもフォームを大事に。崩れたフォームで行うトレーニングは効果が落ちるだけでなく故障リスクも高まる。チェックしてもらうか動画を撮影すると良い
- セット間の休憩時間はできるだけ測る
6.まとめ
今回は自重トレーニングの種目と実際のプログラム例を紹介した。このプログラムをしっかりと行うだけで”強い身体”を作ることは可能だ。ジムにいけなくてもトレーニングはできるのでちょっとした時間を見つけて運動の習慣をつけるだけでも身体は変わってくる。まずは出来る範囲からでいいので自分のペースでトレーニングを行ってもらえればと思う。最後にしつこいようだが、回数をこなす事を目的にするのではなく正しいフォームで何回出来るか?が何よりも大事である事を忘れないで欲しい。