突然ですがUPQっていうブランド、ご存知ですか。
『生活にアクセントと遊び心を。』
をコンセプトに、オリジナルのスマートフォンやヘッドフォン、キーボード、デジカメなどを販売するベンチャー企業です。ガイアの夜明けなど、テレビ番組にも取り上げられているので、ご存知の方も多いと思います。
若きCEOが発信する「自分を持ってる系プロダクト」。
従業員は0名(だったはず。いまは知らない)。社長の中澤優子さんが一人でデザインからメーカーへの発注までをこなしています。
◎TECH in Asiaより
もともと携帯電話をつくりたくてカシオに新卒入社したけど、カシオが携帯作るのやめちゃったので自分で起業した、と何かのインタビューでは答えてらっしゃいました。
ぼくが初めてUPQを知ったのは、2015年にガイアの夜明けで紹介されたとき。そのときもカッコいいもん作ってるなぁと思ってはいたものの、2016年の先日、ガイアの夜明けに再登場したのを改めて見て、やっぱり良いな、と再認識。
めちゃめちゃクールです。
ほどよくとんがったデザインが好きです。
以下の画像はすべてUPQのホームページより。
ちなみに最後の写真は充電機能を備えたバッグです。ご覧いただいたとおり、おっしゃれー、ですよね。
キーボードなど実用的ではないものもありますが(あれはたぶん打ちづらい)、とにかく見た目が好みです。おしゃれ可愛い。おしゃかわです。
UPQのアイテムを眺めていたとき、ぼくはふと思いました。
ぼくは単に「自分を持ってる系プロダクト」が好きなだけだった。アップルである必要はなかった。
言いたいことは、ほぼ見出しで完結です。
iPodの時代から、ちょいちょいアップル製品を購入し続けてきたぼくですが、ついに目が覚めました。世間では「iPhone SE」を見て、アップルの洗脳から目を覚ます人が相次いでいるようですが、ぼくの目を覚まさせたのはUPQでした。
なぜぼくはアップルが好きだったか。あるいは好きだと思い込んでいたか。
それは、アップルのように独自の世界観をもっている作り手が、他にいなかったことが理由です。いたとしても偶然、これまで情報が入ってこなかったのです。ぼくはアップルが好きというより、独自の世界観をもつプロダクト群に惹かれていただけなのでした。
で、この「自分を持ってる系プロダクト」のジャンルは競合が少なく、分かりやすい情報発信をしているブランドが、これまでアップルくらいしかなかったのです。
そこにUPQが現れたというわけ。
同じ「自分を持ってる系プロダクト」の中だと、アップル的なデザインよりも、ぼくはUPQ的なデザインの方が圧倒的に好みです。
XLLサイズの人が服の選択肢がなくて困っていたようなものだと思ってください。
これまでアップルを選んでいたのは、アップルが良かったからじゃなく、そのジャンルにはアップルしかいなかったからなのです。アダムがブサメンだったとしても、イブは多分アダムを愛しただろうねって話です。
あと、これは別の観点ですが、スマホをデザインとスペックという2要素に分解したとき、iPhoneはデザインを選ぶと自動的にハイスペックがついてきちゃうんですね。だから値段が高い。
デザインだけ欲しくて性能はほどほどでいい。安くしろ。っていう人はいままで行き場がなく、不満足状態だったわけですが、UPQのスマホは非常に廉価で2万円以下。その需要にピタリとはまるんじゃないかと思ったりするわけです。
ヨドバシなど大手の店頭にも並んでいるようです。これからUPQのようなブランドがいろんな価格帯で登場してくると、図体のでかいアップルは、いよいよサムスンの二の舞になるんじゃないでしょうか。
で、実際買ってみた。
両親がシムフリーに変えたいと言っていたので、しばらくしたら端末を譲る前提で購入しました。
親は電話とラインくらいしかやらないので、スペックが問題になることはまず100%ないだろうと見越しての見切り発車です。
次に発表される新型ではなく、1世代前のスマホです。
アマゾンにも売っていました。
【UPQ Phone A01X】Android 4GLTE SIMロックフリー 格安スマホ<16GB> (NRW)
- 出版社/メーカー: UPQ
- メディア: エレクトロニクス
- この商品を含むブログを見る
説明書がちょっと変わってますね。
表紙に描かれたスマホのゆるふわイラストと手書き文字が、なんか和む。
あとディスプレイに予め保護シールが貼られていたのに驚きました。にも関わらず、もう一枚保護シールが付いている。これは一回剥がして、新しいのを張り直せということなのか。まぁ今のままでも使えそうなので、いったん様子をみましょう。
あまり需要はないかもしれませんが、軽く使用感だけ。
ひと通り触った感触だと普通にSNSとかをやる分には全然OKですね。カメラもふつうに撮れる。タッチの反応も違和感なし。ディスプレイもふつうに見れます。
ハイエンド機種と比べると粗はあると思いますけど、見比べないとたぶん違和感は感じないでしょう。
一点だけ気になることがあったとすれば、背面のカバーです。ちょっと強度が弱い感じがします。手で押すと凹む。たぶん踏んだらアウトです。
ただ2万円を余裕で切る価格を思えば、これは実用性の面でもなかなかOKなんじゃないでしょうか。
なにせSIMカードの通信業者との初回契約料金や何やかんやふくめても2万円以下でスタートできるわけですから。こりゃー便利です。
*
さて、ほめすぎて息苦しくなってきたので、さいごにちょっとだけ毒を吐いて終わります。
たしかに、UPQはクールなブランドだしアイデアも面白い。
でも、ちょっと気になる点があったんだよなー。
商品によって、価格帯がバラバラ。
ぼくが気になったのはこの一点。
たとえばUPQの最新機種のスマホ「UPQ Phone A02」は希望小売価格が¥17,500。
ぼくが使っているネクサスやiPhoneなどのハイエンド機種は¥80,000くらいします。中価格と紹介されているスマホでも¥40,000くらいですから、かなり廉価です。
一方で、バッグは¥19,800。
これはバッグにしては、決して安い値段ではありません。
街中でたまに見かけるNorth Faceのバッグ。
ぼくがAmazonで適当に探したやつだと¥16,200。
North Faceより廉価なブランドだと¥5000くらいでも、十分、実用的なバッグを買うことができます。
キーボードの値段もいいお値段。
最新モデルは19,350円する。ガラス素材のキーボードとしては安いけど、廉価なスマホと釣り合いがとれているかと言われると、とれていないと思います。このキーボードを好む層なら、スマホはもっと高価格帯のバージョンを欲するんじゃないですかね。
逆にアップル商品はわかりやすいですよね。ハイエンドです。スマホもパソコンもタブレットも、基本的に同種の商品群の中ではお高めの価格設定。プロダクトに対して、いかほどお金を支払えるか、という価格面でのターゲティングもきれいに線引きされています。
このようにプロダクトによって、攻める価格帯が全然違うのがUPQの特徴。価格面でのセグメントが曖昧なのです。
ただ、UPQの場合は商品ラインナップが家電からファッション、インテリアと幅広いし、一概にこれが変だとは言えません。まだ商品数も多くないですしね。
むしろ、価格帯にバラつきがあるのは、今の時代の消費スタイルに合っているかもしれません。
最近の人は「高いから満足」することはないし、「安いからダメ」と烙印を押すこともない。気に入ったものやこだわりたいものに関しては「一点豪華主義」でドカンと買い物します。
だから、作り手が実現したい世界観とか表現したいデザインがまずあって、それを儲けの出る適正価格で世に問うていくUPQのスタイルは、ある意味でとっても合理的なのかもなぁと感じました。
まだまだ端々に粗さを感じる商品たちではありますが、これからプロダクトとして洗練されていけば、もっともっとクールなブランドになると思います。
数少ない、新作発表を楽しみに思えるメーカーです。
うーむ。
結局ほめて終わってしまった(笑)