モノ作りの品質管理を医療現場の安全確保に

モノ作りの品質管理を医療現場の安全確保に
日本のモノ作りの現場で行われている品質管理の方法を医療現場に取り入れることで医療の安全の質を高めようという講座が名古屋大学附属病院で開かれ、全国から参加した医師らが、大手自動車メーカーの担当者などから医療事故の原因を徹底的に究明し解決策を立てる手法などを学びました。
この講座は、名古屋大学附属病院が国の支援を受け、各地の中核病院で医療安全に関わる医師らを対象に半年間にわたって開いたものです。講座では大手自動車メーカーの担当者らが、問題が起きた際、現場の声を聞いて原因を徹底的に追及することや、具体的に数値を定めて問題を改善していくことの重要性を伝え、医師らは実際の医療現場での課題をどう解決できるのか提案しました。
このうち患者の取り違えゼロを目標にした医師は、看護師が過去に取り違えが起きかねないと感じた状況を聞き取りから洗い出し、昼食の配膳中など複数の業務が重なる時間帯にミスが起きやすいとみられることを突き止め、看護師の業務が重ならないよう調整するなどの解決策を提案していました。
参加した医師の1人は、「漠然と頭の中で考えているだけでは不十分で、聞き取りから分かったことを一つ一つ解きほぐすと解決策が具体的なものになると分かりました。今後は病院に持ち帰り、さらに発展させていきたい」と話していました。