博多−長崎 乗り継ぎ方式、地元追加負担なし
九州新幹線長崎ルート(博多−長崎)を新幹線と在来線特急で乗り継ぐ「リレー方式」で2022年度に暫定開業するために必要な追加工事の費用について、国土交通省は佐賀、長崎両県に実質的に負担させないことを決めた。両県が国交省から提案があったと23日発表した。追加負担は国が負うよう求めていた両県は一定の評価をしており、リレー方式での開業で決着する見通しとなった。
リレー方式は、新幹線と在来線を同一ホームで対面乗り換えとするための武雄温泉駅(佐賀県)の改修などで約70億円が必要となる。佐賀県によると22日に示された国交省の提案は「両県に実質的な追加負担のない措置を講ずる」としている。リレー方式での運行中、並行在来線の長崎線の特急本数を確保することなども盛り込まれているが、国の費用負担などの方策は示されなかったという。
佐賀県の山口祥義知事は「一定の評価はできる」としつつ「本当に実質負担がゼロなのか検証しなければいけない」と述べた。長崎県の牧野充浩・企画振興部次長もリレー方式での22年度開業に向けて「さらに前進することが期待される」と評価した。
長崎ルートは新幹線と在来線の両方を走行できるフリーゲージトレイン(軌間可変電車、FGT)を導入し22年度開業予定だったが、FGTの開発が遅れ全面開業は25年春以降の見通しとなった。【石井尚、小畑英介】