飲酒運転の車が猛スピードで暴走し、1人の死者が出た。4台のカメラが、その危険な瞬間をとらえていた。
赤信号を無視し、猛スピードで交差点に突っ込む黒い車。
タクシーが一瞬ではね飛ばされ、黒い車は、乗用車と別のタクシーに衝突して、ようやく止まった。
衝突されたタクシーの車載カメラには、猛スピードで迫ってきた黒い車が、後ろから衝突する様子が映っていた。
車の前方を撮影していた別の車載カメラには、足を引きずりながら逃走する、男の姿がとらえられていた。
これは、23日午前1時40分ごろ、東京・世田谷区の国道246号線で起きた事故の一部始終をとらえたタクシーの車載カメラの映像。
黒い外国産の高級車が、タクシーなど3台に次々に衝突し、タクシー運転手の村松 豪さん(49)が死亡、男女5人が重軽傷を負った。
そして、足を引きずりながら、運転席から逃走した緒環健蔵(おだまき・けんぞう)容疑者(20)が、現行犯逮捕された。
目撃者は「タクシーの運転手の方が、おまわりさんに心臓マッサージをされていて」と話した。
事故直前、付近を走っていたタクシーの車載カメラの映像。
緒環容疑者が運転していたとみられる黒い車が、縫うようにして、ほかの車を猛スピードで追い抜いていった。
その20秒後、今度は、赤色灯をつけたパトカーも、猛スピードで追いかけた。
事故現場から、およそ1.5km手前の交差点で、テールランプが故障していた緒環容疑者の車をパトカーが発見。
パトカーが追跡を試みると、緒環容疑者は、急にスピードを上げ、時速100km近くで、蛇行運転しながら逃走した。
そして、緒環容疑者の車は、タクシーなど3台に次々に衝突。
衝突されたタクシーの映像をよく見てみると、緒環容疑者の車は、一度、ほかのタクシーと乗用車にぶつかったあと、スピンしながら、このタクシーに追突しているのがわかる。
事故で、右足首を骨折しながらも、逃走を続けた緒環容疑者。
調べに対し、「事故を起こして逃げたのは間違いない」と話すとともに、近くの飲食店で酒を飲んでいたなどと供述。
緒環容疑者の呼気からは、基準値の倍近いアルコールが検出されており、警視庁は、危険運転致死傷に容疑を切り替えることも視野に入れ、調べを進めている。