アフリカ南部アンゴラで集団発生、死者168人
アフリカ南部アンゴラで蚊を媒介とする感染症「黄熱」の患者が集団発生し、昨年12月以降で少なくとも168人の死者が報告された。中国などでもアンゴラからの帰国者の感染が確認され、世界保健機関(WHO)は22日、渡航者にワクチン接種を勧告した。
野口英世が研究したことで知られる黄熱は、ネッタイシマカなどの蚊がウイルスを媒介して広がる。アフリカや中南米の風土病で、発症すると発熱や筋肉痛のほか、出血しやすくなり、死ぬこともある。治療法はないが、ワクチンでの予防が効果的とされる。
アンゴラ当局の報告によると、1132人に感染の疑いがある。流行の中心は首都ルアンダで、周辺地域にも拡大しているという。
黄熱は今夏にリオデジャネイロ五輪が開かれるブラジルでも感染の恐れがあり、厚生労働省は渡航者に予防接種を呼び掛けている。【千葉紀和】