塾講師・家庭教師アルバイトに学歴・学力は必要なのか

こんにちはバイトハブ星野です。
『高時給』『子ども相手で気軽に始められる』『学生バイトが多い』などといった理由から大学生から人気の高いアルバイトに塾講師・家庭教師アルバイトがあります。
週1~2日の出勤で良いことも多く、1日あたりの勤務時間も1~3時間程度であることから、勉強やサークル・部活で忙しい大学生でもアルバイトしやすい、というのもその人気の理由かもしれません。
しかし人気なアルバイトとはいえ小中高生を相手に『勉強を教える』というその仕事内容から、『高い学歴や学力が求められるのではないか』と不安になる人やそういった理由から興味はあるものの断念したという人もいるのではないでしょうか?
一方で、塾講師・家庭教師の求人広告を見ていると『未経験OK』『指導力研修があるので安心』『伝統の指導ノウハウを伝授します』など、指導経験やノウハウがなくても大丈夫といった趣旨のアピールポイントは少なくありません。
では実際に塾講師・家庭教師のアルバイトをするのには学歴や学力は必要なのでしょうか?それとも学歴や学力に関係なく未経験からスタートできるのでしょうか?
実は私、バイトハブ星野は進学塾で大学受験を中心に10年以上プロ講師として教鞭をとっていた経験もあり、学習塾や家庭教師などの業界についてはある程度精通しているという自負があります。
そんな元プロ講師の私が、そういった塾講師・家庭教師アルバイトを始めるにあたっての学歴や学力について押さえておきたいポイントをまとめました。
◆塾講師・家庭教師アルバイトで求められる学歴や学力は、塾や家庭教師会社の運営方針による(対象とする生徒層)

まず前提として抑えておかなければならないのは、塾講師・家庭教師アルバイトといった教育系のアルバイトではある程度の学歴・学力が求められます。
ただし、『どんな塾や家庭教師でもいいからとにかく教育系のアルバイトがしたい』ということであれば、その必要な学歴・学力は『大学進学』と理解して大丈夫です。
塾や家庭教師を習わせる家庭の立場になって考えると、
『レベルの高い国公立大学に進学したい・させたい』『医学部医学科に進学したい・させたい』
という家庭もあれば、
『とにかく勉強が苦手・嫌いなので学校の勉強についていけるように最低限の指導をして欲しい』
『一人では勉強を進められないので一緒になってサポートしてくれる先生が欲しい』
という家庭もあります。
前者の家庭であれば、そういった高い目標に向けた生徒を合格に導く指導力やそういった学力層の生徒の質問に答えられる学力が必要となりますし、保護者にとっては『学歴』がそれらを担保する肩書きです。
しかし後者の家庭であれば、もちろん学歴や学力があるに越したことはありませんが、より必要になってくる能力として『生徒の目線に合わせられる』『生徒のことを理解してあげられる』というものがあげられます。
もちろんこれらは極端な例であり、前者の家庭に対しても生徒のことを理解してあげられる能力は必要でしょうし、後者の家庭に対しても学歴や学力はあったほうが良いでしょう。
しかし家庭によりニーズは様々なので、高学歴・高学力でないと塾講師や家庭教師ができないというわけではないということです。

◆塾講師と家庭教師での違い

同じ教育系でも塾講師と家庭教師では学歴・学力について押さえておきたいことが少し異なります。
塾講師では、教室に学生アルバイトだけでなく社員の講師が常駐していることも多いため、アルバイトの講師自身が指導力や教務力を教えてもらうことが可能です。
そのため塾講師の求人の内容には『未経験OK』『研修アリ』といった謳い文句が多いかと思います。
一方、家庭教師ではある程度講師自身の裁量に任されるので、必要な知識は自分自身でなんとかしなければならないことがほとんどかと思います。
例えば2014年の春に高校を卒業した大学生が高校生に指導をする場合、指導要領が新課程になり数学や理科の内容で自分自身が習ったことない単元を指導することになります。(例えば数学に『データの分析』という単元が増えたなど)
そういった場合でも塾講師の場合なら、社員の講師に未知の分野を質問することも可能ですが、家庭教師の場合は自分で参考書を買うなりして勉強しなければ指導できません。
このように塾講師と家庭教師では、塾講師の方が自分の学力に自信がない場合でもサポートしてもらえやすいと言えるでしょう。
とはいえ学習塾でも社員が講師ではなくあくまで教室の管理者である塾、つまり学力面でのバックアップが弱い塾もありますし、家庭教師の場合でも家庭教師の本部のサポートが充実している場合もあります。
◆塾講師バイトでの一斉指導・集団指導と個別指導・少人数グループ指導での違い

塾講師の中にも指導形態が様々あります。
まず昔ながらの一斉指導・集団指導についてですが、求められる学歴・学力は低めである場合が多いです。
その理由として『低学力クラスを任せられることが多い』『指導内容がマニュアル化されていることが多い』ということがあげられます。(※学習塾の規模や運営方針により多少異なることがあります)
《低学力クラスを任せられることが多い》
まず前提として、一斉指導・集団指導の学習塾の場合、正社員講師が常駐していることが多いです。
その上で、塾に通っている生徒のニーズに応えるため、生徒の学力や学校の違いによりクラスを細分化することがあります。その結果、担当する講師が不足し学生アルバイト講師にも担当させることになります。
その際、高学力クラスや主要学校クラスはその学習塾の評判や実績に直結する重要なクラスになるので、学生アルバイトの学歴や学力によらずその塾の責任者・エースクラスの講師が担当することが多いと思います。したがって学生アルバイトの講師がいずれかのクラスを担当することになれば、相対的に低学力クラスを任されることになるケースが多いのです。
もちろん高学歴・高学力で指導力も高い、指導経験も長く実力も評価されている学生アルバイトであれば上位クラスを任されることもあります。
また正社員が常駐していない塾の場合でもバイトリーダーにあたるベテランのアルバイト講師が上記で言う正社員の役割を果たすので、学歴や学力に自信のない方でも能力にあったクラスを任されると考えて良いと思います。
しかし中には上位校の受験を目指す生徒のみを対象とした進学塾もありますので、そういった場合は担当するクラスによらずある程度の学歴や学力が必要になってきます。

《指導内容がマニュアル化されていることが多い》
また複数のクラスがある一斉指導・集団指導塾の場合、一部の塾では講師の裁量で授業を進めるものの、多くの塾ではその授業の質を均一化するために指導方法がマニュアル化されていたり事前の授業研修があったりするでしょう。
『この一連の単語はこの語呂で覚える』『このパターンはこの技を使う』といった塾のオリジナルの指導方法もあるため、こういった指導ノウハウは社員や先輩講師に前もって教えてもらえるでしょう。
また一斉指導の場合、事前に準備した授業内容に沿って授業を進めるため、極端な表現をすれば『黒板に書く内容と喋る内容を丸暗記』して臨むことも可能です。もちろん講師自身の理解が浅ければ優秀な生徒にはそれが見抜かれることもあるので、授業で教える内容は自分自身でも完全に理解しておくことがベストではありますが、もし仮に自分自身が理解していなくても形式上授業を進行することは可能です。
以上の理由から、そこまで学歴や学力が高くなくても一斉指導・集団指導の塾講師アルバイトをすることは可能です。
※一斉指導・集団指導の講師の学歴・学力が低いということではありません。
数学風に真偽を表現すると
学歴・学力が低い ⇒ 一斉指導の塾講師バイトをできる
は真ですが
一斉指導の塾講師バイトをできる ⇒ 学歴・学力が低い
は偽です。『学歴・学力が高い・低い』が命題ではないことは別として。
一方、指導形態が個別指導の場合、生徒一人ひとりに指導するという点でニーズが多様化するため、求められる学歴と学力も様々になります。したがって、講師の学歴や学力に相応、もしくは対応可能な生徒を割り振られて担当することになるため、一斉指導同様学歴や学力に自身がない方でもアルバイトをすることは可能です。
しかし一斉指導の様に事前に指導内容を準備しておくということができないため、臨機応変に対応する学力は必要と言えるでしょう。
個別指導講師の経験がある方なら
生徒が簡単な問題を解いているときはそっと見守っているだけだけど、
生徒が難しい問題を解いているときは自分でも考えたり解説を読んで予習したりと生徒以上に必死
という経験があるのではないでしょうか。
その他近年、都心部を中心に少人数グループ指導という指導形態も増えてきました。
5~6人程度での一斉指導スタイルで、一斉指導同様事前の準備に沿って指導するという指導形態でありつつも、少人数だからこそ個別指導のように生徒からも質問や意見が飛び交う双方向のやり取りがある指導形態です。
一斉指導と個別指導の中間のようなハイブリッドな指導形態ですが、ディスカッションも取り入れ『柔軟な思考力や発言力を育む』というコンセプトで運営している塾も多いため講師にも臨機応変な指導ができるためのある程度の学力が求められることになります。
以上のように、指導形態や対象とする生徒により講師に求められる学力や学歴が異なります。
したがって学歴・学力に自信がない方でも応募できる学習塾はありますので、興味のある方は募集要項や塾の生徒集客用の案内・ホームページなどで確認するとよいでしょう。
ちなみに塾講師アルバイトに応募をすれば面接時に学力試験を受けることがほとんどです。
そこで不合格ならば学力が足りていない、合格ならば学力が足りていたということになりますので興味がある場合、まずは一度応募してみると良いかもしれませんね。
ただし一部の塾で『〇〇大学受験専門』や『医学部受験専門』といった学習塾では、アルバイト講師陣をその大学の生徒や医学部生で固めている場合もあります。
◆家庭教師の場合は個人契約か紹介会社を通すかで異なる

家庭教師のアルバイトについて必要な学歴や学力は塾講師同様生徒の学力に応じて異なってきますが、さらに個人契約か紹介会社を通すかで異なってきます。
まず、家庭教師の紹介会社を通す場合、生徒宅から紹介会社に担当する講師の希望が出されます。
お子さんの性別に合わせて先生も男性がいい女性がいいという希望もありますし、『将来〇〇中学を受験したいのでそこの卒業生がいい』
という学歴に対しての要望もあります。
紹介会社はそういった生徒宅からの要望に対し、登録している家庭教師の中から適任となる先生を選んで打診することになるので、学歴や学力とのミスマッチは少なくなるでしょう。
つまり家庭教師登録をする際に、学歴や学力はチェックされていますので、自分に紹介される生徒はある程度自分の学力で対応できると考えて大丈夫ということです。
ちなみに指導で使う教材については、生徒が紹介会社で購入している教材があればできるだけそれを使うように指示されるでしょう。そうでない場合は生徒自身教材を使うことになりますので、学校教材にするか市販のものにするかは保護者とすり合わせをしながら決めるとよいでしょう。

それに対して個人契約の場合は、紹介会社を通す場合と異なり自分の学力にあっているかどうかということを自分で判断しなければなりません。
大学の掲示板などで探す場合は、生徒宅側もその大学で探そうと思っているわけなので学歴については問題ありませんが、生徒のレベルや志望校に自分が対応できるかどうかは問合わせて確認した方がミスマッチは減るでしょう。
自分で生徒宅を探す場合は、知人に紹介をしてもらうか、地域情報紙などで探すかになりますが、
塾、紹介会社、大学といった講師の質を担保するものがない完全な個人契約になります。保護者の方にとって講師の質を測るものが学歴になるので、学歴があったほうが有利なのは間違いないでしょう。とはいえ中学受験をしない小学生の家庭教師などある程度の基礎学力があれば大丈夫な場合もありますので、気になる家庭教師募集があれば一度問い合わせてみるとよいでしょう。
このように、塾講師や家庭教師をする場合は、生徒のニーズも様々なので講師に求められる学力も様々です。したがって、自分の学歴や学力に自信がなくてもそういった教育系のアルバイトの興味があるのであれば一度チャレンジしてみると良いと思いますよ。
また学歴や学力がある場合でも生徒の急な質問に答えられるためにはいま生徒がどんな内容を勉強しているのかを予習しておいたほうが良いと思いますし、
学歴・学力に自信のない方でもそういった塾講師や家庭教師の経験を通して学力がついてくれば最初は対応できなかった生徒に指導できるようにもなるでしょう。
いずれの場合もそういったアルバイト経験によって自分自身の成長が感じられるということも、塾講師・家庭教師のやりがい・魅力かもしれませんね。