「未返金なだけ」 使途不明金巡り釈明
資金管理団体を巡る横領容疑で東京地検特捜部の家宅捜索を受けた元航空幕僚長の田母神俊雄氏(67)が23日、東京都内で記者会見し、捜査で約450万円の私的流用の疑いを指摘されたと明らかにした。うち約330万円は未返金だという。田母神氏は「横領とは思っていない」と釈明した。
田母神氏によると、資金管理団体の資金を使う際は、会計責任者が口座から引き出した現金を受け取り、使用分の領収書を会計責任者に渡していた。私的使用に当たると指摘されれば返金していたといい、330万円分は指摘がなく問題ないと思っていたという。
田母神氏は「会計責任者から政治資金の範囲は広いと聞いた。外遊先で妻の服も買えると思っていた」と説明。一方で2015年1月以降、団体に計約1500万円を補填(ほてん)したとしたうえで「横領と言われるのは心外」と述べた。
田母神氏の資金管理団体は14年2月の東京都知事選出馬に際し、全国から寄付金計約1億3300万円を集めたが、うち約5000万円が使途不明金になっていることが判明。田母神氏と元会計責任者、選挙対策本部事務局長の3人が告発され、特捜部が捜査している。【平塚雄太、近松仁太郎】