逃げ出したシマウマ 捕獲されたあと死ぬ

逃げ出したシマウマ 捕獲されたあと死ぬ
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愛知県瀬戸市の乗馬クラブから逃げ出し、隣接する岐阜県土岐市のゴルフ場で23日朝からおよそ5時間にわたって逃げ回っていたシマウマは、23日昼すぎ、池の中で動けなくなったところを捕獲されましたが、まもなく死にました。獣医師によりますと、溺れて死んだとみられるということです。
このシマウマは、22日夕方、愛知県瀬戸市の乗馬クラブ「三国ウエスト農場」から逃げ出した2歳のオスのシマウマです。
一夜明けた23日午前6時半ごろ、瀬戸市の隣の岐阜県土岐市の国道で見つかり、その後、土岐市妻木町のゴルフ場「名岐国際ゴルフ倶楽部」に逃げ込みました。シマウマは、コース内を走ったり、池を泳いだりして、5時間余りにわたってゴルフ場内を逃げ回りました。
そして、麻酔の吹き矢によって動きが鈍くなったまま池に入り、23日午後0時40分ごろ、警察官らに引き上げられましたが、まもなく死にました。
捕獲に当たった獣医師によりますと、溺れて死んだとみられるということです。

麻酔の吹き矢は11本

捕獲にあたった獣医師などによりますと、シマウマは、吹き矢で麻酔薬を打ち込み、動けなくなったところをトラックに載せて運ぶ予定だったということです。
まず、獣医師が吹き矢3本を使って麻酔薬およそ300ミリグラムを打ち込みました。しかし、麻酔は十分に効かず、シマウマは逃げ回りました。このため、別の獣医師も加わって、午後0時半までにさらに8本の吹き矢を打ちました。この結果、麻酔薬合わせておよそ1300ミリグラム、通常は体重520キロの馬に効く分量が体内に入ったということです。
捕獲にあたった岐阜県土岐市の嘱託獣医師、服部明さんは「野生のシマウマを見たのは初めてで、どんなふうにやっていいのか分からず、なかなかうまく薬が注入できなかった。麻酔が一番効いた状態でシマウマが池に入ってしまい、泳ぐことができず最悪の結果になった。何とも言いようがありません」と話していました。

移動動物園で展示の予定が

シマウマを預かっていた愛知県瀬戸市の「三国ウエスト農場」などによりますと、このシマウマは、移動動物園を経営する愛知県尾張旭市の男性が所有する2歳のオスです。「グラントシマウマ」という、アフリカのサバンナに生息し、国内の動物園でも飼育されている種類だということです。
移動動物園で展示するのを前に農場で預かることになり、22日はシマウマをトラックで農場まで運び、パドックに入れたところ、暴れ出して脱走したということです。