就活記事はいろいろ出回ってますが、その成否は「たった一つのある質問に答えることができるかどうか」で決まります。
就活セミナー、自己分析、志望動機にグループディスカッション、就活生のみなさま本当にお疲れ様です。大学3年生であればこれからいよいよ本格化、2年生も外資系狙いであればそろそろ動き始める時期かと思います。
就活は非常に多くの学生が参加し、かつ何が何なのかわからないため、悪い大人たちの食い物にされやすい市場だな・・・と今になって思います。たいしたことないセミナーやら何やらに、大学生の方々の貴重なお金や時間が奪われるのは本当に嘆かわしいことです。ですので、ぼくが考えるたったひとつの必須の準備事項に対して、語らせていただこうかと思っています。
自己分析、志望動機・・・それってなんのため?
「自己分析ははやくやったほうがいい!」「志望動機を固めなければ!」などなど巷ではささやかれていますが、それってなんでなのか考えたことありますか?
就職活動という活動において、なぜそのようなアクションが必要とされるのか。よくわからない「自己」というものをコネコネしてみたり、見たことも聞いたこともないような企業への愛を語るためにネットにかじりついたり、なんでそんなことが必要なんでしょうか。ぜひぜひ、就活生のみなさんは考えてみてください。
「なんで自己分析が必要なの?」「志望動機を作る目的って何?」
・・・考えてみていただけましたでしょうか。こういうそもそも論を自分で考えるって結構いい頭のトレーニングになるので、面倒くさがらずに言語化してくださいね。
おそらくこんなかんじの答えが返ってくるのではないかと推察します。
「自分のことを理解しないと、どういう会社が自分にあってるかわからないから!」「自分がその会社のことを理解していて、かつ好きであることをアピールしないといけないから!」
・・・残念、不正解です。
「あなた自身」なんて、企業にとってはどうでもいいのさ
目線を変えてみましょう。あなたは大学生ではなく、とある大企業の社長です。あなたはその企業を運営する全責任を負っています。もちろん、企業の存続のために新しい人も雇わなければなりません。そのためにあなたはどんなことでも言うでしょう。「うちの会社に来たら成長できる、幸せになれる、社会のためになれる」・・・でも、それって本音でしょうか?そんなわけないですよね。
企業の目的は従業員を幸せにすることなんかではない。あなた自身のことは、究極的にはどうでもいい、なんでもいいと思っているわけです。ただひとつだけのことだけしてくれていれば。そう、会社に利益を与えてくれさえしていれば、ほかの事はどうだっていいんです。
就活生が答えなければならない、たった一つの質問
カンのいい皆様ならわかっていただけたと思いますが、就活生のみなさんが答えないといけない質問とは、「あなたを取ることで、我が社にどんなメリットがありますか?」です。これにピシッと答えられることができれば、当然のごとく企業はあなたに内定を出します。おいしいご飯やお酒を振舞う会とか、研修に見せかけた旅行に招待もしてくれるでしょう。だって、あなたが入ってくれればその会社は儲かるのですから。
というところで、考えてください第二弾です。
「あなたを取ることで、○○(あなたの第一志望企業)にどのようなメリットがありますか?」
これにしっかり答えるためには、もちろん自分のことをしっかり理解しておかないといけないですし、企業のこともよく知らなければなりません。「私はこういう人であり、こんな風に誰かの役に立てる」「そういう自分の特性は、行きたい企業のこういうビジネスにおいて利益を生み出せるハズ」、そういう言語化をするために、自己分析や志望動機はあるのです。
いくら自己分析したり志望動機を練っても、中身が空っぽだったら何の意味もない
とはいえです。いくらあなたが自己分析をしたり志望動機を考えても、それまでに何の経験もなかったら、残念ながら意味がかけらもありません。なんの中身もないのに、自己分析や志望動機を練って、何の意味があるでしょう。その程度のごまかしは、ある程度まともな面接官ならすぐ見抜きます。
「あなたをとって、我が社になんの意味があるのですか?」という質問をされたときに、抽象的なふわふわしたことしかいえなかったら、残念ながらその面接に通る可能性は限りなく低い。悪い例で言うと、「わたしは非常に明るく、誰とでもコミュニケーションが取れる人間です。みんなと仲良くすることで、御社に貢献できます」とか。ぼくだったらこんなふうにツッコミます。
- 誰とでもコミュニケーション取れるってほんとですか、具体的なエピソードはあるんですか
- そのコミュニケーション力で、我が社のどのようなビジネス領域で利益を出そうと思っているんですか
- というかそもそも、「コミュニケーション力」なるものだけで利益を生み出せると思っているのですか、他に何かないのですか
- さらにいうと、その「コミュニケーション力」は本当に他の学生たちと比べて飛びぬけていると証明できるのですか
「うわあ・・・性格悪い・・・」と思われてそうですが、気にしない。
質問に答えるために、徹底的に経験を積み、企業のことを知ろう
「あなたを取ることで、我が社に何の意味があるのか?」といわれたときに明確に返すためには、徹底的に自分の中に経験を溜め込み、かつ志望企業のことをよく知らなければなりません。一挙両得なのは、その志望企業で長期でインターンして結果を残すことですね。ITベンチャーであなたが長期インターンしたと仮定してみると、例えばこんな答えを返すことができるかも。
「私は、主に設計、構築、テストフェーズでチームリードとしてプロジェクトをリードし、安定した品質でシステムを納品し続けることで御社に貢献できます。私はこの会社で、大学1年生のときから計2年ほど働いてきました。
最初はプログラマからのスタートでしたが、そこからだんだん設計やテストにも関わるようになり、最近はチームリードとして他のインターンを下につけつつ、現場責任者としてデリバリーをしています。まだ提案及び要件定義は社員の方にお任せしていますが、その後の設計、構築およびテストは私が一貫して引き受け、全売り上げの3%をあげることができています。
この会社にインターンではなく社員として入社することができたならば、今までできていなかったクライアントとの折衝や、実際のビジネスケースに基づいた要件定義などもこなし、一人前のプロジェクトマネージャとして、さらに御社のためになるべく必死に努力したいと考えている所存です。御社は設計構築段階では強いですが、上流での要件定義や提案力にはまだ改善の余地があると実際に働いていて思ったので、そこに対しても貢献できればなと考えております。」
・・・こんな学生いたら、内定出しますよね?採ったら絶対利益上げてくれそうだし。
必死にやってみよう
もちろん、ここまで言えないと内定が出ないわけではありません。ですが、本当に本気で志望企業から内定が欲しいのであれば、「あなたを採ることで何のメリットがあるの?」という企業からの質問に、超具体的に熱く語れるぐらいの経験をつけておいたほうがいいのではないか、ぼくはそう思うのです。
スペシャルサンクス:えるまるさん(id:elmal)