豪中銀の通貨安誘導とも取れる表現で米が注意促す-IMFと懸念表明
2016/03/22 14:59 JST
(ブルームバーグ):オーストラリア準備銀行(中央銀行)が豪ドル安の誘導とも受け取れる表現を昨年用いたことをめぐり、米国が懸念を示していたことが分かった。米側は自由に変動する為替相場へのコミットメントにあらためて言及し、豪当局に注意を促した。
21日の米財務省の議会報告書によれば、国際通貨基金(IMF)の米国代表事務所は昨年9月の段階で豪州について、「為替レートの望ましい方向に関する当局の公式なステートメントに関する懸念」を表明した。豪中銀のスティーブンス総裁は7月の政策決定会合後の声明で、豪ドルの「下落の可能性は高く、必要と思われる」との認識を示したが、8月の会合後の声明では「豪ドルは主要商品価格の大幅な値下がりに順応しつつある」と表現を修正した。
コモンウェルス銀の通貨・金利チーフストラテジスト、リチャード・グレース氏(シドニー在勤)は「どの国も一般に為替レートの下落を望んでいる。中銀がファンダメンタルズに基づいて為替レートが下がるべきだと表明するなら、IMFや米財務省のガイドラインを外れたことにはならない。オーストラリアがピンポイントで指摘を受けたのは、その範囲を超えたからではないかと思う」と述べた。
豪中銀と政府は22日の取材に対し、この問題に関するコメントを控えている。
原題:RBA Aussie Jawboning In Spotlight as U.S. Expressed Concern (1)(抜粋)
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更新日時: 2016/03/22 14:59 JST