鉄道の復旧事実上断念 市長表明
宮城県気仙沼市の菅原茂市長は18日の記者会見で、東日本大震災で被災したJR気仙沼線について「これ以上の結論の先延ばしは復興の遅れとなる可能性がある。BRT(バス高速輸送システム)の方が便利という住民も増えた」と述べ、鉄道での復旧を事実上断念し、現行のBRTを継続するJR東日本の提案を受け入れると表明した。
気仙沼市のBRT受け入れで、沿線自治体の姿勢が一致した。JRは「BRTを復興に貢献する交通手段として、さらなる利便性の向上に努める」と、BRTでの本格復旧を進める方針を示した。
JRと協議を重ねてきた菅原市長は、利便性向上や地域振興への貢献などで十分な回答が得られたと説明。「今日からが始まり。運行の自由度を最大限に発揮していく」と話した。
JR東日本は昨年7月、復旧にかかる費用負担や乗客の減少を理由に、鉄路での復旧断念を沿線自治体に伝達したが、気仙沼市は一貫して鉄路での復旧を求めていた。(共同)