相談1143件、「ネット知人」11%
15年、警察庁統計
リベンジポルノ(復讐<ふくしゅう>目的の画像投稿)を巡って2015年に全国の警察に寄せられた相談が1143件に上ったことが警察庁のまとめで分かった。このうち130件は、インターネットだけのやりとりで実際に会ったことのない相手に自分の画像を送ったことに関する被害相談だった。
加害者の処罰を定めたリベンジポルノ被害防止法が14年11月27日に施行され、初めての年間統計。相談は女性が1041件、男性が102件。年齢別では、10〜20代が6割近くに上った。
具体的な相談内容(複数回答)は、「画像をネットに公表すると脅された」502件▽「(脅されていないが)画像を撮影・所持された」343件▽「画像を送りつけられた」245件▽「画像を公表された」188件−−など。加害者との関係は、配偶者と交際相手(元を含む)が計68%を占める一方、「インターネット上だけの知人・友人」も11%に上った。
警察は相談を受けた1143件のうち276件を立件。内訳は、「会わないと画像がどうなるか分からないぞ」などと脅したとする脅迫が69件、児童買春・ポルノ禁止法違反が56件、画像を不特定多数に提供しようとしたなどのリベンジポルノ被害防止法違反53件−−などだった。また67件について、サイト管理者への画像削除を依頼した。
被害者が自分で撮影した画像を交際相手らに送るケースも多く、警察庁の担当者は「一度ネットに流れた画像は完全には消すのは難しい。第三者に見られて困る画像は送信しないでほしい」と呼びかけている。【長谷川豊】