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「古谷実作品」は心に響きます。稲中・ヒミズ・ヒメアノ~ル・サルチネスまでとりあえず全部見た方がいい【古谷実作品集・漫画】

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こんにちは、ツチヤです。

古谷実先生の漫画が好き過ぎます。実写化された作品もあるので、ファンも相当いると思いますが、僕は心に闇を抱えているので共感できる部分が多々あります。ギャグ要素もありつつ人間の深い深い闇の部分までえぐられる、そんな作品が多いです。

そんなわけで、ずっと書きたかった古谷実先生作品集をまとめて行きたいと思います。


※目次はクリックで開閉できます。

 

古谷実作品の素晴らしさ

作品は後に紹介するとして、簡単に古谷実という偉大な漫画家について簡単に触れておきます。1972年生まれ、埼玉出身の漫画家です。これまでの作品は、1993年のデビュー作『行け!稲中卓球部』から始まり、『僕といっしょ』『グリーンヒル』『ヒミズ』『シガテラ』『わにとかげぎす』、(『オレは何も知らなかった』)、『ヒメアノ〜ル』『サルチネス』があります。

漫画商店 行け!稲中卓球部 前野とキクちゃん

当初はコテコテのギャグマンガでしたが、少しずつ作風が変わっていき、暴力的な描写や、人間の心の闇の部分に切り込んだ作品が多くなっていきます。個人的には『稲中』も好きですが、『ヒミズ』以降の作風の方が好きです。

ファンとしてはもっと読みたいと少し残念な気もしますが、(行け!稲中卓球部を除いた)ほとんどの作品が5巻前後で完結しているのも特徴です。内容はヘヴィですがさらりと読み切ることができます。


それでは古谷実先生の作品を一つずつ振り返っていこうと思います。中古本も沢山出回っているので、読んでない方は比較的安く簡単に見つけられると思います。1つも呼んだことがない方は是非読んでほしいと思います。全作品ホントにおすすめです。

 

行け!稲中卓球部

1993年から連載がスタートされた古谷実のデビュー作。簡単に言うと思春期まっただ中の少年少女(中学生)の葛藤や日常を描いた青春ギャグマンガ。稲豊市立稲豊中学校、略して稲中には卓球部があり、その中で物語は繰り広げられます。部員は全部で6名でそれぞれが強烈なキャラクターを持ち、それぞれがいい味を出しています。僕は田中が好きです。

僕自信馴染みがあるのはヤンマガKCスペシャルの全13巻のタイプ。最初のヤツですね。やはり人気作品なだけあって、その後いずれも講談社からの出版ですが、かなりの数の復刻版が出ています。 最初の巻と最後の巻では絵も違います。そのへんを見比べてみるのも面白いと思います。

 

唯一のアニメ化作品

古谷実作品の中で、(パチンコ台にもなってますが)稲中が唯一アニメ化された作品でもあります。

内容も改変されたりもしたのでアニメ人気はそこまでなかったんじゃないかと言う印象。当時はあまり認知されていなかったガチガチの深夜枠でしたしね。 

 

『稲中』見どころポイント※単行本全13巻・文庫版全8巻

  • 死ね死ね団*1
  • 王道?ギャグ路線
  • サンチェ*2

 

 

僕といっしょ

まだギャグ路線ですが、テイストが変わっていきます。 中学生と小学生の兄弟の家出から物語はスタートし、内容も社会風刺ともとれるかなり重いものになっていきます。登場するキャラクターも濃い面々が多く、引き込まれていきます。概要をウィキペディアで見てみると、

位置づけ的にはギャグ漫画であるが、家庭崩壊家出同性愛者、学歴、売春自殺などのキーワードがギャグの中で、何気なく登場しては消えていく。

僕といっしょ - Wikipedia

 という記述があるぐらいなので、『人生とは?』を考えさせらる作品です。

 

『僕といっしょ』見どころポイント※単行本全4巻・文庫版全3巻

  • 人生って何?
  • 三つめの目イタイタイ病*3
  • カピバラ*4

 

 

グリーンヒル

1997年から連載開始。ここにきて少しギャグマンガに戻りますが、今度はバイクチーム「グリーンヒル」の話。後の作品にもバイクは幾度か出てくるんですが、作者のバイクに対する情熱が伺えます。

今作の主人公は大学生。古谷実作品ではクズ(みたいな人)が多く出てきますが、そんな個性あるキャラクターたちが集まると、こんな面白くなるんだと気付かされるような作品です。

 

『グリーンヒル』見どころポイント※単行本全3巻・文庫版全2巻

  • バイク好きは是非
  • 岡ミドリというキャラクター(三大底辺)*5
  • イトキン?*6

 

 

ヒミズ

2001年からスタートした今作。映画でも話題になったので知ってる方も多いと思います。古谷実作品の中でもかなり好きな作品です。内容も薄暗く、バイオレンスな描写が随所に出てきます。映画しか見たいない方は是非原作を見て欲しいです。

貸しボート屋を営む中学三年生の住田と言う少年の物語。ただただ平凡を願う少年の前には虐待していた父親、母親の失踪など異常な出来事が襲ってきます。そんな住田を救うべく茶沢さんと言う女の子が気にかけてくれるんですが…。

 

映画化された作品

実は以前も書いているんですが(【実写化多数】必読!大して漫画を読まない人間がオススメする漫画10選 - 非アクティビズム。)、園 子温監督によって映画化もされています。この映画が公開されたのは震災の年だったので、ストーリーを大きく変えたことも有名です。また被災地での撮影を敢行したことでも話題になりました。

実写は実写で面白かったんですが、登場人物の年齢から主人公のイメージも全然違うので、もし実写しか見ていないという方は原作も見て欲しいと思います。

 

小説もあるので活字が好きな人は是非

上下巻になっています。人によってはピンと来ないかもしれませんが、僕にはズシリと来ました。僕もきっと闇を抱えているんだと思います。小説版は上下巻あります。

 

そして主人公を見守る茶沢さんの目線から

僕自身がヒミズに思い入れがあったからかわかりませんが、活字嫌いの僕でもすんなり読めました。 主人公住田に思いを寄せる茶沢さんが一人称でストーリーに沿って進んでいきます。これを一番最初に読むのはオススメしません。

 

『ヒミズ』見どころポイント※単行本全4巻・新装版全2巻・文庫版全3巻

  • 平凡のありがたさ
  • 心の闇
  • みんなが持っているかもしれない残虐性 

 

 

シガテラ

2003年から連載スタートした今作は高校生荻野優介を中心に物語が進んでいきます。兎にも角にもタイトルが秀逸ですね。普通の人は(調べない限り)何のことかわからないと思いますがシガテラと言うのはシガテラ毒という魚が持つ毒のことです。

シガテラ毒については以前書いています(興味ある方はどうぞ→シガテラ毒の恐怖に震える。 - 非アクティビズム。)。日常にあるこの“毒”をシガテラと表現するあたり、想像力が凄過ぎます。

今作もバイクは何度か登場しますが、そこまで登場頻度はないので、バイク好きじゃなくてもすんなり読めます。とは言ってもやはり毒の描写はそれなりにあります。高校生が社会に出るまでの葛藤を描いた作品です。南雲さん…

 

『シガテラ』見どころポイント※単行本全6巻・文庫版全4巻

  • バーニング荻野*7
  • 南雲さんカワイイ 
  • 非日常の恐怖 

 

 

わにとかげぎす

この作品は2006年から連載が開始しました。「わにとかげぎす」とは魚類(主に深海魚)の~目のことです。※例:ワニトカゲギス目ヨコエソ亜目

先ほどあげたように、これまでの作品でもタイトルにはもちろん意味があったはずですが、これについては謎のままです(因みにヒミズはモグラ)。勝手に解釈すると、今作の主人公は古谷実作品の中では珍しく32歳という比較的年齢の高い(おじさん?)が主人公。深海魚というのが、恐らく主人公に重なっているのではないかと思います。

スーパーの警備員として働き、そのまま家に帰る。毎日がこれの繰り返し。気付くと自分は独身、薄毛。人とも接せず友人、恋人はなし。そこで主人公である富田は友人を作るべく奮起します。様々なことが起こり、スーパーの警備員を辞め物語はあらぬ方向へ展開していきます。今作でもやはり日常の大切さを訴えているような気がします。

 

『わにとかげぎす』見どころポイント※単行本全4巻・文庫版全3巻

  • 変化のない日常
  • 変化の有りすぎる日常
  • 前向きに生きるとは

 

 

ヒメアノ〜ル

2008年から連載スタートです。古谷実作品すべてに共通してると思うんですが、平凡こそ最強と言われているような気がします。構成は比較的似ていて、さえない男子が事件に巻き込まれたり、かわいい子をゲット出来たりするんですが、その流れは健在。

しかも今作は、今年(2016年)5月28日に映画が公開されます。R15指定なのでストーリーは原作に沿ったものになると思われますが、どのぐらい世界観をそのままに出来るか今から楽しみでなりません。

 

 

実写版ヒメアノ~ル

主演はV6の森田剛さん(森田 正一役)、濱田岳さん(岡田 進役)など、話題沸騰中な面々です。


YouTube

原作通りであれば内容は相当重たいです。田剛さんに至っては映画初主演でこの役とは、なかなかハードルが高いです。原作について、ウィキから抜きだすと、

主人公の岡田進と安藤勇次の主に恋愛にまつわる話と並行して、森田正一の快楽殺人犯としての日々を描いている。 

ヒメアノ〜ル - Wikipedia

V6の森田剛さん演じる森田正一は要はサイコパスなんです。原作ではほんわかした部分とサイコな部分が並行して進んでいきます。古谷実作品によくある人間の闇の部分が凄く出ている作品です。個人的にはヒミズと並んで好きな作品ですが、実写を見る前に是非原作を見てもらいたいです。

 

『ヒメアノ~ル』見どころポイント※単行本全6巻・文庫版全4巻

  • サイコパス森田
  • 誰にでもありうる狂気
  • 日常のありがたさ

 

 

サルチネス

2012年から連載開始。今作の主人公は中丸タケヒコ31歳。17年の引きこもり生活(両親無し、祖父と溺愛する妹と同居)から抜け出し自立を目指す物語。 

比較的ギャグ要素が強く、古谷実作品らしさを残しつつ、さらさらと読めると思います。しかもサルチネスに関してはどちらかと言うとほっこりします。いつものワンパターンか、と言われる作品ではなく、ちょっと感動すら覚えます。古谷作品を読んできていない人にはまずおすすめしたい作品です。

 

『サルチネス』見どころポイント※単行本全4巻

  • 兄の妹への愛情
  • 堕落へのハラハラ感
  • ギャグ路線復活

 

 

まとめ

同じような構成が目立つ古谷作品ですが、僕はそれが好きでたまりません。実際実社会で都合よく事件に巻き込まれたり、彼女が出来たり、そんなことは起こらないかもしれません。ですが、ないとも言いきれないようなことだったり、ホームレス、自殺、殺人、その他諸々の社会問題にもふれているような気もします。

何よりも主人公やその他登場人物の言葉一つ一つに深い意味が隠されているような気もします。

実写を見てしっくりこなかった人は、原作を読んでみてください。響く人にはズッシリ響くそんな作品ばかりです。

以上

古谷実先生天才だと思うけど何か??

 

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