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ミャンマー 54年ぶり非軍人の大統領を選出
3月15日 15時46分

ミャンマーの議会は15日、新しい大統領にアウン・サン・スー・チー氏の側近のティン・チョー氏を選出し、長く軍の影響力が強い政権が続いてきたミャンマーで、54年ぶりに軍の出身者でない大統領が誕生することになりました。
ミャンマーでは15日、上下両院を合わせた連邦議会で、大統領の選出が行われ、スー・チー氏の側近のティン・チョー氏が多数決で新大統領に選ばれました。
ティン・チョー氏はイギリスの大学を卒業した元官僚で、軍出身ではない人物が大統領となるのは1962年のクーデター以来、54年ぶりです。スー・チー氏は、外国籍の息子がいることから憲法の規定で、大統領になることができず、側近を大統領に据えることで政治の主導権を握る考えとみられます。
一方、2人の副大統領にはスー・チー氏が率いる最大政党、NLD=国民民主連盟の上院議員で少数民族出身のヘンリー・バンティーユ氏と、もともと議会の4分の1の議席を割り当てられている軍人議員の指名により、元軍幹部のミン・スエ氏が選ばれました。ミン・スエ氏は軍事政権時代に民主化運動の弾圧にも関わった強硬派とされ、今もアメリカ政府による経済制裁の対象となっています。
政権の交代式は今月30日に行われる予定ですが、軍が強硬派の元幹部を副大統領に据えた背景には、新政権を内側からけん制するねらいがあるとみられています。

軍の強硬派 ミン・スエ氏

2人いる副大統領の1人に就任することになったミン・スエ氏は64歳。憲法の規定でもともと議会の4分の1の議席を割り当てられている軍人議員によって指名されました。
ミン・スエ氏は軍の元中将で、軍事政権のトップだったタン・シュエ議長に近く、民主化運動の弾圧にも関わったとされ、強硬派として知られています。
ミン・スエ氏は2011年の民政移管後、最大都市ヤンゴンを含む地域の首相を任され、その行政能力を評価する声もありますが、今もアメリカ政府による経済制裁の対象となっています。
今回、軍が民主化勢力が主導する新政権の副大統領に、強硬派のミン・スエ氏を選んだ背景には、軍の権益を守るため新政権を内部からけん制するねらいがあるものとみられています。

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