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大人のための転職活動支援塾

転職に役立つコラムから生活に役立つライフハックまで幅広い話題を取り扱うブログです。

転職回数が多い人は不利というルールは本当か?人事部の友人や外資系企業出身の妻に聞いてみた

転職活動お役立ちコラム

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 転職界隈でよく言われるのが、転職回数は多いほど不利になる…ということ。

「転職は3回まで。それ以上はハイキャリアじゃないと年収ダウン必須」

 というのは昔から言われてきた定説です。

 しかし、時代と共に働き方が変わっていく現代社会、未だにこの転職回数に比例して転職難易度が上昇するという説は正しいのでしょうか?
 今回は現役人事の友人や同期、さらに妻の友人にインタビューをして調査してみました。

 転職を考えているけど転職回数が多くて悩んでいる方は、参考にして下さい。

転職回数で足切りはしない

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 私の友人に、某大手企業の関連会社で人事をやっている者がいます。
 彼に「転職回数が多い人は、不利なのか?」と聞いてみると、意外な答えが返ってきました。

 彼の会社では、転職回数は気にしない。むしろ志望動機や仕事に求める点、人柄、スキルなど別の部分を評価する…とのことです。

 私はてっきり、転職回数でまず足切りを受けるのかと思っていましたが、どうやら事情が違うようです。
 彼の勤める会社は大手企業の関連会社で、当然、優良企業なのですが、なにせ従業員100人以下の会社ですから求人にあまりお金を出さない(出せない)ようです。

 そのため、リクナビNEXTなどの公開された転職サイトではなく、非公開求人として、スカウトタイプの転職エージェントなどを利用して求人を出しているとのこと。

 そうすると、必然的に応募してくる人は少なくなります。
 ですから、一人ひとりとじっくり面接で話すことが出来て、人柄やスキルなどがよく分かるそうです。

 もし、これがリクナビNEXTなどの転職サイトでバーンとお金をいっぱい出しておおっぴらに募集すれば、たくさんの人が応募してきて対応しきれず、やはり転職回数で足切りせざるを得ない…とのこと。

「もちろん、いい加減な理由での短期離職や信念なく仕事を変えてきた人は落とします。ただ、理由がはっきりしていてフォローが出来るなら問題ないです」

 とのこと。

「ただ、7回以上、転職している人は大抵、本人の性格に問題ありなので…」

 と最後は濁していました。

 彼の会社では、実際に転職4回目の女性が内定を勝ち得て働いているそうです。

 彼女が転職を繰り返した理由は下記の通り

1社目:短大卒で就職。ブラック企業。半年で退職
2社目:貿易事務 2年勤めて留学のために退職
3社目:留学エージェント。ブラック企業だったため1年で退職
4社目:旅行会社。3年勤めたものの、ワーキングホリデーに行きたくなり退職
5社目:現在の会社

 こうして見ると、かなり転々としていますが、本人は明るいキャラクターで転職回数の多さをネガティブに捉えていないそうです。また、バイタリティがあり東南アジアを一人旅した経験など、かなり面白いエピソードを持っているとのこと。

 転職回数が多くても、キャラクター次第で転職は十分に可能…ということが、よく分かりました。

狙い目は外資系企業やベンチャー企業

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 次は妻と、その友人に聞いてみました。
 妻は元外資系企業に勤めていたのですが、その会社の日本法人はまだ小規模で、転職回数が多い人も雇ったことがあったそうです。

 外資系企業はどんなに母体が大企業でも、日本での知名度はゼロ。おまけにホームページは英語ですから、求人を出しても人が集まりにくいそうです。
 そのため、転職回数が多い人でも受け入れることが多いそうです(もちろん英語は必須ですが)。

 ただ、日系企業の空気に合わず転職を繰り返してきた人でも、外資系では10年以上勤まるケースが多いそうです。
 やはり日本企業と外資系では、働き方も違うようで、ある意味では「はぐれ者・変わり者の集まり」だそうです。

 妻の友人はベンチャー企業に詳しいのですが、やはりベンチャー企業でも転職回数は気にしないとのこと。
 むしろ本人のキャラクターやポテンシャルを重視するので、中小企業よりもチャンスは多いそうです。

 こうして聞いていくと、転職回数が多い=転職では絶対不利…という訳ではないようです。

 しかし、確実に不利になるフィールドはあります。多くの中小企業、老舗のメーカーや企業などは、保守的な価値観を持っていますから、職を転々としている人なんて門前払い…というケースが多いです。

 ですので、転職回数が多い事に不安を覚えたなら、ベンチャー企業や外資系企業など、懐の広い企業も含めて求人を見ていきましょう。

 また、スカウト型の転職エージェントに登録し、非公開求人に応募するのも良い手です。非公開求人なら、書類選考での足切りラインが下がるので、転職回数で相切りされる事が少なくなりますよ。

ブラック企業を見抜けないのは自己責任…という現代の風潮について

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 ブラック企業の広告って、一見すると、すごく良い企業に見えてしまうのが怖いですよね。
 人件費を切り下げて不当に利益を上げている会社ほど、広告費にガンガンお金を出すので、消費者へのイメージ戦略のみならず、転職サイトでも良いイメージ、そして目立つ位置をしっかり確保しています。

 そんな粉飾された求人広告にまんまと騙されて、長時間労働を強いられて、壊れたらぽいっと捨てられて…こんな「だまし討ち」でも転職回数にカウントされてしまうのですから、日本の雇用、もとい働き方は歪んでいると思います。

「ブラック企業に入って短期離職したのは自己責任」
「ブラック企業だろうと、せめて1年は続けないとダメだよ」
「就職活動の際に、企業研究をしなかったのですか?」

 こんな自己責任論で片付ける日本の転職文化が、正直言って私は嫌いです。
 騙される方が悪い…という図式は、いつになったら直るのやら。ハローワークや図書館ですらサービス残業や非正規雇用によって支配されている日本では、これらの問題が改善されるのは、まだまだ先だと思われます。

 騙されて、ブラック企業に入ってしまい違法な労働を押し付けられ、気づけば転職回数が多くなってしまった…という方。
 気にする必要はありません。騙すほうが悪いのです。

 大切なのは、失敗した経験を活かし、ブラック企業やミスマッチをいかに回避するか、ですよ。

結論:転職回数よりも準備と戦略が大事です

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 転職は、自分のキャリアと転職市場でのかね合わせが大事だと私は思います。
 転職回数を嘆くのではなく、情報を集め、自分の強みやアピール材料をしっかりまとめて、準備万全の体制で転職に挑むことが大切です。

 情報不足・準備不足で不採用を繰り返し

「やっぱり、転職回数が多いから難しいか…」

 と自分に自信をなくして転職活動を諦めてしまったり、ブラック企業に妥協入社してしまっては、転職地獄から抜けだせません。

 転職は、より良い職場、仕事に就くための行動です。
 妥協のし過ぎ、自分の安売りは厳禁。それを防ぐためにも、闇雲に動くのではなくしっかり自分の軸を作って、どっしりと構えて立ちまわることが重要ですよ。