またも横浜の欠陥マンションが全棟建て替えになりそうだ。大手デベロッパーのマンションにも欠陥はある。だが、いざというときに対応できるのが大手であることも事実……物件選びはかくも難しい。
最初は非を認めなかった
「会社が問題を初めて認めた'14年の段階では、全5棟のうち傾いた1棟だけを建て替えるという話でした。他の棟の住民には、建て替えに伴う騒音などの迷惑料ということで、月に数万円ずつ、合計100万円ほどが支払われました。
その時には、『さすがに住友不動産。大手のデベロッパーは細やかな対応をするものだな』くらいに思っていたのですが、ここにきて次から次に新しい問題が発覚するので、不信感が募るばかりです」
こう語るのは、横浜市西区の「パークスクエア三ツ沢公園」に住む70代の男性。同物件は住友不動産が'03年に分譲したもので、全260戸の大型物件だ。
横浜駅からバスで5分ほどの丘陵地にあり、マンションの目の前にはテニスコートやサッカー場を備える三ツ沢公園が広がる。早春の日差しを受けてジョギングをする人や、梅見を楽しむ人の姿が見られたが、物件の住人たちの心中は穏やかならざるものがあった。
「若い人なら、デベロッパーに買い取ってもらって、新たに別のマンションを買うという選択肢もあるでしょうが、私たち高齢世帯だとローンを組み直すこともできませんから、そういうわけにもいかない。この歳になると引っ越しも億劫になるし、建て替えのあいだ3年も4年も別の場所に住むのは精神的にもつらいですね」(前出の男性)
事の経緯を説明しよう。
このマンションは分譲後しばらくして、住民が手すりのずれを発見。しばらくは施工会社の熊谷組が問題個所を補修するなど応急処置をしてきたが、マンションの傾きは悪化の一途をたどり、'13年に管理組合が住友不動産に対して正式に対応を要求した。
しかし、住友不動産側は「(傾いている)原因は不明」と責任を認めず、管理組合で修繕するように回答した。
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