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【校長2人出産発言】
波紋広がる…校長「義務と言ったのではない」 吉村市長「優劣つけるものでない」 麗澤大・八木教授「言葉狩りになると建設的な議論ができなくなる」
大阪市立中学校の校長が今年2月、全校集会で「女性にとって最も大切なことは子供を2人以上産むこと」と発言し、「価値観の押しつけ」と波紋を広げている。吉村洋文市長は14日、「子育てとキャリアを二者択一で比較するのは不適切」と批判。市教委も処分を検討している。一方、校長は産経新聞の取材に「出産が義務と言ったのではない。子供たちに、親や保護者、社会への恩返しを考えないといけないという観点で話した」と発言の趣旨を説明した。
発言したのは市立茨田(まった)北中学校(鶴見区)の寺井寿男校長(61)。発言の意図については「子育てが煩わしいもの、損なもの、という考えもある現状を変えたい、それだけではないということを、子供たちに伝えたかった」と語った。
しかし、発言の内容が報道されると、インターネットを中心に「価値観の押しつけだ」などと批判が広がった。寺井氏は「(発言の)一部を切り取られて誤解を招かないように」と、発言の要旨を同校のホームページで12日朝から公開。夜に市教委の削除依頼を受け、13日朝に掲載を取り下げた。
大阪市議会の教育こども委員会では14日、この問題が取り上げられ、西崎照明委員(公明)は「内容があまりに偏っている」と批判した。自民党の北野妙子委員も取材に「発言に傷つく人がいるのは確かで、教育者として配慮が足りなかった部分がある」と指摘。一方で「社会への恩返しが必要という点は理解でき、発言が間違っているとまでは言えない」とも話した。
吉村市長は記者団の取材に「子育ての大切さを訴えたかったのだろう」と発言の意図に理解を示しつつも、「子供を産む、産まないの選択は、最終的には個人の判断。優劣をつけるものではない」と指摘。「多様な価値観があるというのは伝えるべきだった」と語った。
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