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【米大統領選】
医薬品業界、「強欲」と批判の標的 価格つり上げの企業トップ、議員を「知能の低いやつら」
【ワシントン=小雲規生】1人あたり医療費が世界最高水準にある米国で、医薬品業界への批判が渦巻いている。下院監視・政府改革委員会は4日の公聴会に、医薬品の価格を不当につり上げたとされる医薬品企業のトップらを召喚。しかし、参考人の1人が証言拒否を繰り返すなどしたため、かえって国民の怒りをかき立てている。価格引き上げは新薬開発のために必要との主張もあるが、11月の大統領選に向けた候補者たちも批判の声を強めており、医薬品業界は選挙戦で「悪役」になっている。
「私が耳を傾けるのは私の弁護士の助言。あなたの助言ではない」。医薬品企業チューリングの前最高経営責任者(CEO)、マーティン・シュクレリ氏は4日の公聴会で薄ら笑いを浮かべながら、証言を促す議員らの要望を一蹴した。
シュクレリ氏は公聴会で、議員らの「悪い行いをしたという意識はあるのか」などの問いかけに繰り返し証言を拒否。公聴会終了後はツイッターに「こんな知能の低いやつらが国民を代表していることは受け入れがたい」と投稿した。同委員会のグリシャム下院議員は「シュクレリは患者のことを考えたことがあるのか」と怒りをあらわにした。