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再審棄却、「公平な裁判侵害」認めず…東京地裁

砂川事件の再審請求で「再審請求棄却」の垂れ幕を掲げる支援者ら=東京地裁前で2016年3月8日午前11時1分、長谷川直亮撮影

 1957年7月、東京都砂川町(現立川市)の米軍基地内に反対住民らが立ち入った「砂川事件」を巡り、東京地裁は8日、刑事特別法違反で有罪が確定した土屋源太郎さん(81)ら元被告と遺族計4人の再審請求を棄却する決定を出した。田辺三保子裁判長は「不公平な裁判をした恐れがあるとは認められない」と述べた。弁護団は即時抗告する方針。

     事件では米軍駐留を認めた日米安全保障条約が戦力不保持を定めた憲法9条に反するかが争われ、1審の東京地裁は59年3月、米軍駐留を違憲として無罪判決を言い渡した。検察側は高裁への控訴を経ずに最高裁に上告する「跳躍上告」の手続きを取った。

     最高裁大法廷は同年12月、「米軍駐留を認めるかどうかは高度な政治問題であり、違憲であることが一見して極めて明白であると認められなければ司法審査の対象外だ」として1審を破棄。東京地裁の差し戻し審が罰金刑とし、確定した。

     しかし、2008年以降、当時の田中耕太郎最高裁長官が上告審判決前に駐日米大使と面会し、公判日程や心証を伝えていたとする米公文書が見つかった。土屋さんらは14年、「憲法で保障された公平な裁判を受ける権利を侵害された」と再審を請求し、免訴を求めた。

     決定で田辺裁判長は「面会では一般論を述べたに過ぎず、裁判官の意見や評議の秘密を漏えいしたとまでは評価できない」と述べた。【山本将克】

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