Updated: Tokyo  2016/03/04 23:28  |  New York  2016/03/04 09:28  |  London  2016/03/04 14:28
 

ゴールドマンとBofAがトレーダー削減へ、16年の厳しい市場環境で

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    (ブルームバーグ):ウォール街の大手投資銀行、ゴールドマン・サックス・グループとバンク・オブ・アメリカ(BofA)は、金融市場の波乱でリターンに下押し圧力がかかる中、業績の芳しくない行員を対象とする定期的な人員整理を頼りに経費抑制を図る方針だ。

ゴールドマンは債券部門でトレーダーとセールス担当者の5%強を削減する。新規採用の余地を作るため毎年行う全社的な人員整理よりも大幅に同事業を合理化する。説明を受けた関係者1人が3日明らかにした。BofAはトレーディングおよび投資銀行で約150人を来週削減する計画だ。トーマス・モンタグ最高執行責任者(COO)が推進する経費節減の動きに伴うものだと、複数の関係者は明らかにした。

資本規制の厳格化やトレーディングの落ち込みを受けて投資銀行は債券部門改革に苦しんできたが、今年は米国株が過去最悪のスタートを切るなど世界市場の波乱を受けて企業が一部証券の発行を手控えていることもあり、ウォール街には事業縮小の圧力が強まっている。調査会社コーリション・デベロップメントによると、昨年の債券トレーディングは2008年以来の不振だった。

ゴールドマンは通常、新規採用の余地確保のため毎年この時期に業績の下位5%を削減しているが、その比率を超えることもある。事情に詳しい関係者1人の1月の話では、同社は当時、債券市場の動向をしばらく見極めた上で関連事業の一段の縮小の是非を判断する計画だった。関係者が今月3日に匿名を条件に明らかにしたところによると、今回の削減比率は全社的な削減の標準を上回るものの、10%未満にとどまる見通し。

ライバルの金融機関が債券業務を縮小し、債券収入が回復していないことを認める状況で、ゴールドマンのロイド・ブランクファイン最高経営責任者(CEO)は債券ビジネスに肩入れしてきたが、市場シェアの追求とリターンを両立させる中で、2012年初め以降に債券部門で10%の人員を減らしたことを先月明らかにした。同社は11年末から社員を3000人余り増やしている。

ブランクファインCEOは先月、「われわれは債券・為替・商品(FICC)業務に引き続きコミットする一方、ビジネスサイクルにも対応している」と説明。「これが構造的変化だとは考えていない。一部の規制やテクノロジー、プラットホームという点で、FICC市場の変化の構造的側面といえるかもしれないが、ビジネスそのものが廃れるとは思わない」と述べた。

BofAでは、モンタグCOOが自らが統括するトレーディングおよび投資銀部門の経費圧縮を部下に強くプッシュしていた。関係者らは1月の時点で、予算を減らす方法がマネジャーらの裁量に委ねられたと述べる一方、人員削減が今月行われる可能性が高いと予想していた。

原題:Goldman, BofA Dismiss Traders After Getting Taste of ’16 Markets(抜粋)

記事に関する記者への問い合わせ先:ニューヨーク Dakin Campbell dcampbell27@bloomberg.net;ニューヨーク Laura J. Keller lkeller22@bloomberg.net;ニューヨーク Hugh Son hson1@bloomberg.net

記事についてのエディターへの問い合わせ先: Peter Eichenbaum peichenbaum@bloomberg.net

更新日時: 2016/03/04 14:19 JST

 
 
 
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