「これから、現場にくる、絵の描ける若い人に知ってほしい。」
カンプライターと言う職種は、
あまり語られたことがない。
だが、広告業界はこの20〜30年、
多くを彼等の技術に依存して来た。
「陰」の存在であるカンプライター。
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僕がこの言葉を最初に知ったのは高校生の時だった。
スーパーリアルイラストレーションの関連書(前述)
などには、スパーリアルの描けるキラ星のような
イラストレーターがみな、異口同音に「カンプライター」
をやってきた、と発言しているのを知ってからだ。
1990年代後半に榎本了壱他がグラフィック展/JACA展
といった公募で、自由な表現をたくさん持った
現代につながるイラストレーターを幅広く発掘するま
での間では、イラストレーターになるには、
カンプライターを経由するのが当たり前だった時代が
あるのである。
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僕はある意味、その両方の流れを汲む世代だ。
カンプライターとしては、最後の世代の何人かに
残念ながらなるのかも知れない。
なぜかというと、現場で僕と同世代か僕より若い世代の
同業者をほとんど見たこと耳にすることがないからだ。
当然、職種柄、そんなにかぶっているとは
思えないので、あわないのは当たり前と言う人も
あるかも知れない。
が、探してみるといい。
本当にいない。
TVの世界のストーリーボードのイラストレーターは
まだまだ、多く存在する。(同様に若手が少ないが)
広告業界などが、そちらの人材に助けられているので、
本当に広告/グラフィック/Webの世界の方では
ここの人材が極限まで減少していることに
気付くのが遅くなっているのだ。
今なら、まだ間に合う。
この部分の人材を後世に残さねばならない。