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ザ・アジト・オブ・ザ・ヤング・ガッツ

could get somebody else, but want someone like you

哲学的ゾンビゾンビ

哲学・宗教
 哲学的ゾンビというものは皆さんご存知でしょうけれども、この哲学的ゾンビ問題(果たして哲学的ゾンビは存在するか?)が問題として成立するには、「哲学的ゾンビとは、我々のような普通の人間とは異なる存在なのだ」と言う時の、その「異なるもの」があらねばなりません。でそれが何なのかというと、曰くクオリアとか、心とか、魂とか、そんなものの有無なのだそうです。一体何の事を言っているんでしょうか?

 はっきり言っておきますが、私はクオリアなどと呼ばれているようなものはインチキであり、現実に存在するのは単に脳内の物理現象そのもののみであって、それ以外のものでは一切無いのだと思っています。そして全てはそれだけですから、もう何も問題なんて無いのだと思っています。哲学的ゾンビなどというものは最初っから想定されないのですから問題でも何でも無いのです。ところがどういうわけかこうは思わない人が世の中にはいるようで、よくわからない話を延々と続けているのです。何も問題が無いところで突然、問題はあるのだと言い出して、何が問題なんだと訊いてみると、「我問題ありと思う、ゆえに問題あり」と答えるのです。要するに、思い違いをしているのです。こういう思い違いをして哲学的ゾンビを語ろうとする人間の事を、哲学的ゾンビゾンビといいます。

 哲学的ゾンビとは一体何なのでしょうか? その定義が「クオリアを持たない人間(?)」なのだとしたら、それは例えば、麻酔注射を打ったから痛覚が無いとか、馬鹿だから物事を理解できていないとか、そういう事を言っているのでしょうか。しかしどうも皆さんの話を聞いていると、麻酔注射を打っていないのに痛覚が無い(それでいて痛めつけられれば痛覚がある場合と同じように痛がる)とか、馬鹿だから物事を理解できていないのに物事を理解できている(?)のだとか、そういう事を言っているように思われます。一体何の話をしているんでしょうか?

 問題なんて無いのに、何かを必死で騒ぎ立て続けている人々。哲学の話題はほとんどこれだけです。単なる思い違いなら、まだいいんですが、実際は思い違いというよりも思い込みであって、そしてまた場合によっては、悪意に基づいた嘘や詐欺でさえある事もあります。