2016年1月26日15時41分
鹿児島市で2012年、女性に性的暴行を加えたとして強姦(ごうかん)罪に問われた男性(23)に対し、懲役4年とした一審判決を破棄して無罪を言い渡した福岡高裁宮崎支部判決について、福岡高検は26日、上告しないことを明らかにした。男性の無罪が確定する。
男性は鹿児島市の路上で12年10月、当時17歳の女性を強姦したとして逮捕・起訴されたが、一貫して無罪を主張していた。
鹿児島県警は女性の体内から検出した精液を鑑定。「抽出されたDNAは微量で鑑定できない」としたが、14年2月の一審判決は、女性の胸から男性と一致するDNA型が検出されたことなどから、男性に暴行されたとする女性の証言は信用できると結論づけた。
しかし控訴審では、高裁支部が体液を再鑑定した結果、検出された精子のDNAは男性以外のものと判明。同支部は女性の証言について「虚偽を述べていたとしか考えられない」と信用性を否定し、「本件を強姦とみるには不自然」として今月12日、男性に無罪を言い渡した。判決は県警のDNA型鑑定の手法や、審理中に裁判所に通知せず独自に鑑定した検察の姿勢についても厳しく批判した。
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朝日新聞社会部
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