「水爆」実験:中朝国境の密貿易、取り締まるだけでも北には致命的

米国務副長官が言う「中国の北朝鮮に対する『特別な役割』」とは
中朝貿易額、昨年49億ドル

 米国は、今回の北朝鮮による4回目の核実験(6日)以降、中国に全方位的な圧力を加えていることが分かった。これは、韓国政府関係者が20日、「米国は今回、対北朝鮮制裁に関連して決意したかのように中国を追い込んでいる。トニー・ブリンケン米国務省副長官が『中国の特別な役割』を強調したのも、こうした脈絡に沿うものだ」と述べて明らかになった。

 北朝鮮が4回の核実験を実施したのを受け、米国は「核実験のたびに強力な安保理制裁案を作ってきたが、何の効果も挙げられなかったのはかなりの部分で中国のせいだ」と考えている。北朝鮮政権は中国との各種貿易を窓口にして軍事資金を集めたが、中国側がこれを事実上黙認してきたということだ。

 韓国統計庁と韓国貿易協会の資料を合わせると、2014年の北朝鮮の総貿易額76億ドル(現在のレートで約8900億円)のうち、中国が占める割合は83.7%に当たる約63億ドル(約7377億円)に達する。公式の統計情報以外に、密貿易や観光客の手荷物として商品を持ち込んで売る人々など非公式の経済活動を加えれば、北朝鮮の中国依存度はさらに高いことが分かる。

 2010年3月に発生した海軍哨戒艦「天安」撃沈事件を受けて北朝鮮に対する制裁措置を決めた「5・24措置」などで韓国が北朝鮮との交流を減らして以降、北朝鮮の対中貿易依存度はさらに進んだ。中朝貿易規模は2000年に4億8000万ドル(約562億円)程度だったが、13年には13倍を上回る65億4000万ドル(約7664億円)に膨らみ、15年(12月を除く)も49億ドル(約5742億円)だった。

 韓国外交部(省に相当)関係者は「安保理制裁を根拠に、ただちに中朝国境地帯の密貿易などを適切に取り締まるだけでも大きな効果が得られる」と話す。日本の朝日新聞は「米国は北朝鮮の4回目の核実験直後、中国に北朝鮮向けの石油輸出や北朝鮮産の無煙炭輸入禁止を要求した」と報道した。中国は、北朝鮮が核実験をするたびに原油供給の一部を削減していたという。

 しかし、中国がこうした米国の要求を受け入れるかどうかは懐疑的だ。韓国政府関係者は「中国内部ではまだ、北朝鮮の軍事的・地政学的重要性を強調する人が多い。中国が拒否できない強力な切り札を米国が交渉テーブルで出すかがカギになるだろう」と話した。中国はこれまで対北朝鮮制裁について「朝鮮半島の平和」と「対話」を強調していた。

梁昇植(ヤン・スンシク)記者
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