ライフハッカー編集部 - こころ,メンタル,モチベーション,健康 08:00 PM
泣ける人の方が精神的に強いわけ
Pick The Brain:涙はいつも弱さや自己憐憫の印と見なされ、軽蔑の対象となってきました。しかし、泣くのは自然な感情の発露であり、多くの人はそのことを見落としています。良いことが起きたときに喜ぶのと同様、つらいときに泣くのは自然なことなのです。
泣くことを恥じる必要はありません。涙で感情を爆発させても、それで自分が弱く不安定な人間であるということにはなりません。むしろ、泣ける人は実は精神的に強いとも言われます。本当でしょうか? 以下を読んで、判断してみてください。
感情を見せるのを恐れない
何かすばらしいこと、たとえば昇進したときなど、うれしくなって、笑顔で飛び上がりませんか? 同じように、失恋したときに号泣するのは自然なことなのです。笑顔や幸福がそうであるように、泣くことや悲しみも感情の発露にほかならないということを、泣ける人は理解しています。そして、素直な感情を表すのを恐れないのです。
彼らは、自分は人間であるという基本的な事実を理解しています。泣くということは、社会の典型的な行動基準を逸脱し、独自のやり方で自分を説明する勇気を持っているということなのです。
涙がメンタルを浄化してくれるとわかっている
涙は弱さの象徴として非難されますが、実はメンタルを浄化してくれる効果があります。そうなのです。泣ける人は、涙によってストレスを解放し、身が軽くなり、精神的に落ち着けるという点で、強いと言えるのです。
悲しみは、抑え込むほど負担が大きくなります。トランペットから唾液を出すように、泣くことによって心がマイナスの感情から解放されます。
泣くことで気分が良くなることを知っている
これはパラドックスとか人生の皮肉などと言うこともできますが、泣くことによって気分は良くなります。多くの研究から、泣く人は、まさにその行為によって気分が良くなり、幸せを感じるということが判明しています。どうしてそんなことが起きるのでしょうか? 実は、泣くという行為によって脳が刺激され、幸福を感じるホルモン「エンドルフィン」が放出され、落ち着きや喜び、安心感がもたらされるのです。
また、泣くことで体内のマンガン濃度が下がります。マンガンに長い間さらされると、身体や脳がイライラしてしまうことがあります。もちろん、泣くことで問題が解決するわけではありません。しかし、泣ける人は、泣くことによって落ち着きを取り戻し、幸福感を覚え、軽くなったクリアな頭で問題に向き合えるのです。
ステレオタイプの社会的役割に惑わされない
泣くという行為に付きまとう社会的な不名誉を考えると、多くの人が泣くことをはばかってしまいます。男性は泣いているところを見られたら、共同体から追放されかねません。女性も病んでいると見下され、他人の注目を集めたいだけなどと思われかねません。
しかし、実際は、泣く女性がすべて不安定なわけではありませんし、泣いたからと言って人間の価値が下がるわけでもありません。だから泣ける人は、典型的な社会的不名誉に惑わされない勇気があると言え、それは、彼らの精神的な強さにもつながっているのです。
自分の感情に素直になってもいいのだと促してくれる
泣くことを恐れない人を見ていると、周りの人も、同じように自分の感情に素直になっていいのだと元気をもらえます。そばにいると気分が良くなり、自分に正直になれます。
涙はマイナスの感情を解放してくれるだけではなく、毒素を排出し、5~10分で90~95%の細菌を殺し、視界をも向上させてくれるということを知ったら、驚かれるかもしれません。つまり、泣ける人は感情的に強いだけでなく、健康的にも賢いと推測しても行き過ぎではないのです。
Why People Who Cry Often Are Actually Mentally Stronger|Pick The Brain
lisasmith(訳:コニャック)
Photo by Shutterstock.
- 泣く技術 一瞬でストレスを消す「涙活(るいかつ)」入門 (PHP文庫)
- 寺井 広樹PHP研究所