本日、2016 年1 月 13 日をもって Internet Explorer のサポートポリシーが変更され、各 バージョンの Windows にインストール可能な最新の Internet Explorer しかサポートれなくなりました。
そのため、以下の表にある青字で示されている Windows のバージョンについては、OS に既定でインストールされている Internet Explorer を動作可能な最新のバージョンにアップグレードする必要があります。
同時にこれは IE7, IE8 と Windows Vista SP2、Windows Server 2008 SP2 以外で動作する IE9、そして IE10 の実質的なサポート終了を意味します。
そしてこれら、今回サポートが終了するバージョンの Internet Explorer は、Web 標準にもそれほど準拠せず、HTML5 も動作しない、いわゆるレガシーブラウザです。じっさいのところ、Chrome や Firefox (Opera はどうか知りませんが) は、自動更新の仕組みをもっていたので、PC のレガシーブラウザはそのまま古いバージョンの Internet Explorer を指していました。 (※いちおう Internet Explorer も自動更新の仕組みはもっていました。)
モダンブラウザが当たり前となった昨今でも、機能も性能も劣るレガシーブラウザをサポートしなければいけないという状況が、作業者の負担かを増やし、Web の進化の足かせにもなっていました。
しかし、これらレガシーブラウザ (Old IE) のメーカーサポートが終了することにより、Web 制作の際にレガシーブラウザ対応を迫られるという状況は減っていくでしょうし、依頼された場合でもメーカーのサポート終了を後ろ盾に断っても、別料金を請求しても良いでしょう。
使用している Web ブラウザーのサポート期間が終了してもそれに気づかないか、気づいていても、気にしないて使用し続けるユーザーは少なからずいるでしょう。
サポートが終了した Web ブラウザーは、セキュリティパッチが提供されず、脆弱性がそのままになるのでマルウェアの感染や、攻撃を受けるリスクが高まるので継続して使用し続けるのは非常に危険です。
そういったユーザーのユーザーのリスクを「自己責任である」としてなにもせずに看過していると、Web サイト側もリスクを負う可能性があります。
たとえば、マルウェアのなかには Web 感染型という、Web ページにアクセスしただけで感染するものがあります。
これらは Web サイトのページを不正に書き換えて、Web ブラウザーの脆弱性をつく方法でマルウェアを感染させます。
つまり、ユーザーが、脆弱性がそのままになっているサポートの切れた Web ブラウザーを使用していると、Web サイト側も間接的にマルウェアの配布元となってしまうリスクを負うことになるのです。
とくに最近のマルウェアの頒布の方法は狡猾で、以下の記事にあるように広告ネットワークに仕込まれている場合もあります。自分の Web サイト内にあっても、自分が管理できない広告枠の中でコードを実行されることになるので、これはほぼ防ぎようがありません。
しかし、ユーザーの使用している Web ブラウザーが最新の、きちんとセキュリティパッチが適用されたものであるなら、既知の脆弱性は修正されているはずなのでこういったリスクを下げることができます。
また、まんがいちの場合に備え、ユーザーがサポートの切れた Web ブラウザーを使用するにおいてはそのリスクについて Web サイト側が責任を追わないということを明確にしておくことも重要でしょう。
なにより理想的なのは、サポートが終了した Web ブラウザーを使用しつづけることのリスクをユーザーにきちんと示し、アップグレードを促すことでしょう。
実際に以下のメジャーな Web サイトは、ユーザーに注意喚起し、サポートが終了するバージョンを使用するユーザーに対し、アップグレードを勧めています。
また、こういったページを用意しないまでも、サポート切れのブラウザーを使用するユーザーに対し、メッセージを表示する Web サイトなどもあります。
たとえば、Facebook に Windows 7 上の IE8 でアクセスすると、以下のようなメッセージバーが表示されます。既に IE8 で使用できない機能もいくつかあるようです。
OneDrive にアクセスした際には以下のようなページが表示され、Internet Explorer の更新を促されます。
じつは、このブログ記事も、サポートが終了した Internet Explorer でアクセスすると、以下のようなメッセージバーが表示されるようになっています。
このバーのソースコードについては、以下のの記事で使い方とソースを紹介していますので、興味がありましたらご覧ください。
サポートが終了する Internet Explorer のバージョンを使用するユーザーについて、マイクロソフトも手をこまねているだではありません
前出のように、Internet Explorer のサポートポリシーの変更を知らせるページを用意するだけでなく、本日(2016/01/13)配布のセキュリティ更新プログラムをインストールすると、Windows 7 において、サポートの終了したバージョンの Internet Explorer を起動時に、以下のように最新の Internet Explorer のダウンロードを促すタブが表示されるようになっています。
ただしこのタブは Internet Explorer の起動のたびに毎回表示されるわけではなくて、この通知タブを閉じてから 72 時間経過してからでないと再び自動では表示されないようになっています。
この通知についての情報と、通知の停止方法については以下の技術情報をご覧ください。
サポート期間が終了したバージョンの Internet Explorer が必要な場合もあるでしょう。たとえば、社内システムが、特定の古いバージョンの Internet Explorer でしか動作しないといった場合です。
こういったニーズに対応できるように、Internet Explorer 11 には、従来からのドキュメントモードの他にエンタープライズモードという後方互換機能を搭載しています。
ドキュメントモードが、指定されたバージョンのレンダリングルールでドキュメントの描画を行うだけなのに対し、エンタープライズモードは Internet Explorer 11 上で、Internet Explorer 8 そのものをエミュレーションします。
エミュレーションは仮想化ではないので、完全にそのものというわけではありませんが、従来よりも高い下位互換性を提供します。
これらについての詳しい情報は以下のドキュメントと記事をご参照ください。
サポート期間が終了したバージョンの Internet Explorer が必要な場合には、上記で紹介した Internet Explorer 11 の後方互換機能を使用するようにしてください。
本日、1 月 13 日をもって Internet Explorer のサポートポリシーが変更され、各 バージョンの Windows にインストール可能な最新の Internet Explorer しかサポートれなくなりました。これに伴い、IE7, IE8 と Windows Vista SP2、Windows Server 2008 SP2 以外で動作する IE9、そして IE10 サポートが終了しました。
サポートが終了したバージョンの Internet Explorer をお使いの方は、ぜひサポートされているバージョンへのアップグレードをお願いします。
最新の Internet Explorer は以下から入手することができます。
これにより従来よりユーザーの安全性を確保しやすくなると同時に、新技術を使った新しい体験やサービスを提供できるようになり、かつ、Web 制作者側の負担も軽減されます。
ただし一点、心にお留め願いたいのは、最新の Internet Explorer 11 は、もやはマイクロソフトの最新の Web ブラウザーではないということです。
Internet Exploere 11 は後方互換確保のためにらみ存在しており、今後は一切新しい機能は追加されません。不具合の修正プログラムとセキュリティ情報が更新されるだけの事実上メンテナンスフェーズに入った Web ブラウザーです。
これから Web のコンテンツの制作を行うには以下を参考に Internet Exporer ではなく、Edge をターゲットとしてくださいませ。
およそ 20 年にわたる Internet Explorer の激動の歴史について、ご興味のある方は以下の記事をぜひご覧くださいませ。