再稼働できず…規制基準の見直しなど提言
国内の教育研究用の原子炉が、東京電力福島第1原発事故後の新規制基準に伴い運転できない状態が続き、教育や研究に影響が出ている問題で、日本原子力学会は13日、研究炉の規制基準の見直しなどを求める提言を公表した。老朽原発の廃炉の増加などに対応する人材を確保するためだ。原子力学会は現在の育成面の停滞を「危機的状況」と説明した。
京都大や近畿大など9施設が研究用原子炉の再稼働に向け、原子力規制委員会に安全審査を申請しているが、研究炉にも商業原発に準じた安全対策を求めたため、要員不足の大学側が対応できないなど、合格の見通しは立っていない。このため、原子力学会の検討会は、研究炉の規制基準の継続的な見直しの実施や、施設運営機関に維持管理のため必要な人員確保などを求める提言をまとめた。【鳥井真平】