「水爆」実験:北が毛嫌いする対北宣伝放送、金第1書記の誕生日に再開

-韓国政府の北朝鮮核問題対応策
朴大統領「断固対応」...韓国軍、慎重な従来の姿勢変える
北朝鮮が核実験停止するはずない…軍事的緊張が長期化する懸念も

 韓国政府が北朝鮮の4回目の核実験に対抗して「北朝鮮向け拡声器放送再開」のカードを切ったのは、この放送が北朝鮮の「最高尊厳」である金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党第1書記を確実に狙う韓国軍の数少ない「非対称戦力」(敵の予想しない攻撃を行う非正規の戦力)だからだ。放送が再開される8日は金正恩第1書記の誕生日でもある。

 北朝鮮がこれまでの北朝鮮向け拡声器放送に非常に敏感な反応を示してきたことを考えると、北朝鮮は今回も非武装地帯(DMZ)での挑発行為などで強く反発する可能性が高い。韓国政府がこれを見越しながら放送再開に踏み切った背景には、朴槿恵(パク・クンヘ)大統領の意向が反映されているからだという。朴大統領は北朝鮮の核実験直後、「必ず相応の代償を支払わせる」と言った。韓国軍と統一部(省に相当)は7日午前まで拡声器放送再開に慎重な見解だった。しかし、同日午後の大統領府国家安全保障会議後、すぐに再開が決まった。この過程で、朴大統領は「断固とした意志を示さなければならない」との考えを表明したとのことだ。

 韓国軍は、北朝鮮がDMZで木箱入り地雷を仕掛けて爆発した昨年8月10日、前方部隊10カ所で11年ぶりに北朝鮮向け拡声器放送を再開した。「自信を失った金正恩」「世間知らずの金正恩」「民族の名で処断すべき独裁者」などの表現で金正恩第1書記を批判した。

 北朝鮮は「拡声器を撤去しなければ軍事行動に出る」と脅迫、南北は一触即発の危機寸前まで行ったが、高官級接触を行い、「『非正常的な事態』が発生しない限り、拡声器放送を中断する」との共同合意文を引き出した。この「8・25南北合意」時、北朝鮮代表団がいつもとは違い、交渉中に会談会場を飛び出さなかったのは、「北朝鮮向け拡声器放送を何が何でも中止させよ」という金正恩第1書記の特命があったからだった。北朝鮮は最前方地域を守る兵士たちや地元住民たちが北朝鮮向け拡声器放送の影響を受け、さらに北朝鮮全域に関連内容を拡散させるのを極度に恐れていると言われている。

チョン・ヒョンソク記者 , ユ・ヨンウォン軍事専門記者
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