【社説】核保有、韓国政府は米国と真摯に意見交換を

北朝鮮核問題への対応策、ゼロベースで再検討せよ

 北朝鮮が4回目の核実験を強行したことを受け、米国、日本、国連などが連携し、北朝鮮に対する新たな制裁が本格的に議論されている。韓国政府も北朝鮮の核問題解決のため、考えられる限りの選択肢を想定し、ゼロベースで最善の対応策を見いださねばならない。交渉を通じて核開発を中断させることは事実上、不可能なだけに、軍事面での防衛や攻撃などの戦略や圧力、外交面での対応策など全てを検討する必要があるだろう。

 韓国国防部(省に相当)が7日に明らかにしたように、米国の原子力潜水艦、B52戦略爆撃機、ステルス戦闘機、空母などあらゆる戦力を韓半島(朝鮮半島)周辺に配備することも、北朝鮮による核の脅威に対抗する一つの手段にはなるだろう。しかしこれだけでは不十分だ。北朝鮮の最高指導部や核、ミサイル関連施設などに正確に狙いを定め、これらを攻撃する「サージカルストライク(局部攻撃)」についても検討する必要がある。また北朝鮮による核とミサイルを使った軍事挑発に備えるためには、情報面での対応能力についてもレベルを高めていかねばならない。

 米国が想定する「キューバ式の全面的な北朝鮮封鎖策」や、北朝鮮と取引を行う第三国の企業にも制裁を加える方策(セカンダリーボイコット)についても、今や真剣に検討を行わねばならない。同時にこれらの制裁に実効性を持たせるため、中国から積極的な協力を引き出せるよう外交面での努力も傾けねばならない。

 与党セヌリ党執行部が提唱する「核保有論」についても国全体で議論すべきだろう。同党の元裕哲(ウォン・ユチョル)院内代表は「自衛権の次元で平和的な核兵器を保有すべき時になった」とした上で米国の戦術核の再配備を提案し、また金乙東(キム・ウルドン)最高委員は「核兵器の独自開発」にまで言及した。国際社会が容認しない状況で、韓国が独自に核開発を行うのは現実的に難しい。しかし国の安全と国民の生命を守るには、これらの問題からも当然顔を背けるわけにはいかず、米国とも真摯(しんし)に意見を交換すべきだろう。

 北朝鮮の核問題は過去20年間、米国や中国など主要国や国連が一致して対応に当たっても解決できなかった国際的な課題であり、一つや二つの措置で一気に解決に向かうこともないだろう。そのため韓国も米中両国と粘り強く協力し、さまざまな方面で対応策に取り組むと同時に、自ら実効性のある対策を取りまとめ、周辺国に向けて先に提案できるようにしておくべきだ。

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