冒険に仲間が加わりました

最初は、ボクはすべてをひとりでやってやろうと思っていました。

すべてっていうのは、初期におけるウェブサービスの開発のことです。デザインも、設計も、コードを組むのも、betaバージョンをロンチしてテストをするのも、すべて自分ひとりで。その間にベルリンで共同創業者というか、信頼できるパートナーが見つかればいいなぁ、なんて思っていました。今年の5月のことです。

でもビジネスの分野が専門のボクにはなにをどこから手をつけていいのかわからなかったので、まずは「プログラミングを勉強する方法を勉強する」なんていうところからスタートを切りました。

次第にツイッターやピンタレストの簡易版をつくれるようになっていって、ある程度の自信をつけたあとは、いざ自分の思い描くサービスのコードを書き始めました。でも、これがなかなか上手くいかない。

壁にぶち当たってはネットの奥深くまで検索。コードを書いては消して、また書き直すことの連続。これは誰もが通る道なのですが、他にもやることと考えることは山ほどあったので、ボクには助けが必要でした。

そんなとき、ふとある人物が頭に思い浮かびました。

そうだ、がっくんに聞いてみよう

ボクには中学時代からの仲で、岳獅悠司(がくしゆうじ)・通称「がっくん」という親友がいます。彼は中学時代からコンピューターの世界にのめり込み、学生時代から Life2Bits というITのスタートアップにてソフトウェアエンジニアとして働き始め、そのままその会社で第1号の正社員となり、これまであらゆる言語でいろんなサービスを製作してきた経歴を持っています。

得意なのは主にバックエンドとサーバーサイド。好きなフレームワークは偶然にもボクのプロジェクトでも使っていた Ruby on Rails。しかも100m走を11秒フラットで走れる脚力の持ち主でもあります。

こんな近くに相談できるひとがいたなんて… 逆に近すぎて気づかなかったぞ、がっくん。さっそく彼に電話をして技術的な質問を投げかけてみました。

「あぁそれならね、ここをこうするといいよ」

わずか10分ほどで問題は解決。さすがプロだなぁ、と褒めると

「このプロジェクト、超おもしろそうじゃん。また行き詰まったらいつでも相談してよ」と言ってもらえました。超いいやつです。

ボクはそれをいいことに、本当に一切ためらうことなく、またがっくんの睡眠時間を気遣うこともなく、仕事後の彼にラブコールをかけ続けました。

「がっくん、聞いてくれ。ワンダフルなニュースがあるんだ」

「おう、どうした?」

「バグが取れない」

「OK、ちょっとコードを読ませてくれ…」

翌日

「がっくん、聞いてくれ。ベリーファニーなことが起きてるんだ」

「おう、どうした?」

「バグが取れない」

「よし、どれどれ…」

さらに翌日

「がっくん、聞いてくれ… 」

「バグが取れないんだな?」

「YES!」

「よし、じゃあ今日も始めようか…」

長いときは夜中の3時まで付き合ってくれました。

そんなことを2週間ほどやっていたなか、たまたま東京にいく機会があったので、がっくんを飲みに誘いました。日々の協力に感謝しつつ、酔いも少し回ってきたところで、ボクは綿密に仕込んできたあるモノを取り出してこう言いました。

「がっくん、聞いてくれ」

「おう、どうした?」

「これあげるからさ、一緒にベルリンで働いてもらえない?」

ボクは細いボールペンで【かぶ 50%】と書いた紙の切れ端を渡しました。

がっくんは15秒くらい爆笑したあと、キリッと表情を変えて

「わかった、おれも一緒にベルリンでやる」

という返答をくれました。自分で誘っておきながらアレだけど、決断が早いなぁ、おい。

そして、約4週間後の8月31日に最終出社日を迎え、さらにその2週間後の9月15日にベルリンに来てくれました。すごいエネルギーだ。がっくんのご家族も、暖かく送り出してくれた友人のみんなも、前職のLife2Bitsの皆様も、ご理解とご協力ありがとうございました。ボクたちは成功は約束できませんが、誰よりも長く賢く働くこと、そして簡単に諦めないことは約束できます。精一杯やります。


こういった経緯で、想定していなかった形で信頼できる共同創業者が見つかりました、というのが今回の話でした。

まだ冒険は始まったばかり。ふたりで楽しく厳しくいこうじゃないか。がっはっは

さ!今日も元気に引きこもるぞ〜!


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