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私の戦闘力は53万マイクロです

農夫のおっちゃんの10分の1程度の戦闘力で適当に生きる、意識低い系サラリーマンのブログ

初恋

雑記

「ねぇ、2学期も同じ委員会に入らない?」
彼女はそう言った。

 

 

僕が通っていた中学校では、生徒は全員何らかの委員会に所属しなければいけなかった。同じ委員会には、各クラス2人ずつが所属する。面倒くさがり屋の僕にとっては地味につらいことだった。

中学2年生の1学期、僕は特に何も考えずに美化委員会を選んだ。同じクラスで席の近かった彼女も美化委員会だった。委員会の仕事は実に面倒くさいものだったが、彼女とはなんとなくウマがあい、たわいも無いことを話しながら一緒に委員会の仕事をこなしていた。

最初から好きだったのか、と問われれば、そんなことはなかった。やや童顔かつ小柄な子で、特に美少女というわけでもなく、特徴と言えば声が可愛らしかったことくらい。いまの妻に卒業アルバムで彼女のことを教えたら「うーん、同じクラスにもっと可愛い子何人かいるのに。」と言われた。

僕は彼女に少しずつ惹かれていった。面倒くさいと思っていた委員会の仕事もいつのまにか苦にならなくなった。彼女のどこに惹かれたのかはいまだにわからない。ただ、彼女と同じ場所で同じ時間を過ごすことが、あの頃に僕にとってはたまらなく楽しいことだった。1学期はあっという間に過ぎていった。

2学期の委員会決めの時期。今度はどの委員会にしようかな、どこだったら少しでも楽そうかな、と考えていた僕の席に、彼女が近づいてきてこう言った。
「ねぇ、KENちゃん。2学期もまた同じ美化委員会に入らない?」
僕はとても嬉しかった。また彼女と一緒に過ごす時間が持てるのだ。それなのに、僕はこう答えた。
「うーん、他にも入りたい委員会あるから、ちょっと考えさせて。」
他に気になっている委員会なんてありはしないのに。

友人にこのことをそれとなく相談してみた。友人はニヤニヤしながらこう言った。
「それってお前のこと好きなんじゃねーの?」
とても恥ずかしかった。僕は色気づくのが遅かったこともあり、中学生になってもまだ「女子と仲良くするなんて恥ずかしいこと」という小学生のような価値観に引きずられていた。このまま彼女と同じ委員会になんて入ったら、絶対周りから冷やかされる。そう感じた。

彼女とは部活動(男女混合の運動部)も同じだった。部活中に彼女が僕のところに近づいてきた。
「委員会どこにするか決めた?一緒のとこにしようよ!」
僕は答えた。
「ごめん。もう他の友達と同じところに入るって言っちゃったから。」
とっさに嘘をついた。彼女は「そうなんだ・・・」とだけ言って去っていった。

クラスや部活が一緒だったこともあり、その後も彼女とはそれなりに仲が良かった。でも彼女のほうから僕のところにきて話しかけてくれることは少しずつ減っていった。僕は積極的に自分から動くタイプではなかったので、自然彼女とはあまり話さなくなっていった。卒業後は一度も会っていない。

後悔がないと言えば嘘になる。もし、いまの記憶を持ったまま昔に戻れるなら、もう少し上手く行動できただろうか。そう思うことが無くもない。でも、それで万が一歴史に影響を与えて、いまの妻に出会う未来が無くなってしまったら・・・そっちのほうがよほど後悔する。ドラえもんの見過ぎかもしれない。やはり思い出は思い出のままそっとしておくほうがいいのだろう。

 

 

 

そもそも過去に戻れるなら、Yahoo!株を大量買いすることを優先したいしね。

 

 

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