BRTで本復旧へ JR大船渡線気仙沼―盛間
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東日本大震災で被災し不通となり、バス高速輸送システム(BRT)で仮復旧しているJR大船渡線気仙沼-盛間(43・7キロ)について大船渡、陸前高田、宮城県気仙沼の3市長は25日、東京都内で開かれた第3回大船渡線沿線自治体首長会議で、JR東日本から提示されたBRTによる本復旧を受け入れた。鉄路復旧は正式に断念。首長会議は今回で終了し、今後は各市がJR側とBRTの利便性向上について個別に協議していく。 会議には座長の山本順三国土交通副大臣をはじめ、沿線首長、JR東の関係者らが出席。非公開で行われた。 前回7月の会議で、JR側は安全性、費用負担の面も考慮し「復興に貢献する持続可能な交通手段」としてBRT本復旧を提案し、3市が市民や利用者、議会などと協議。大船渡市は戸田公明市長が18日、JR東に受け入れを表明。陸前高田市は結論を一本化せず、今回の会議に臨んだ。 終了後、各首長はBRT受け入れに至ったことを表明。戸田市長は「市民や議会いずれもBRT受け入れ、利便性向上で協議してきており、結論が出されひと安心。一方で、鉄路に対する市民の意見もある。鉄路断念は残念ではあるが、BRT受け入れはやむを得ない。今後はBRTの利便性向上へ関係者と共に協議したい」と話した。 戸羽太陸前高田市長は「鉄路復旧を求める声もかなりあり、市民の意見をそのまま伝えた。JRからは『鉄路復旧の可能性はない』と断言されたのでこれ以上議論の余地はなく、受け入れざるを得ない。今後はBRTの利便性を高める議論を前向きにしていきたい」と語った。 菅原茂気仙沼市長は「気仙沼以北は主に利用している大船渡市、陸前高田市の意向に添うことが必要。(気仙沼)市民には両市の情勢を踏まえ『BRT受け入れは必至』と説明し、議会にも報告している」と述べた。 JR東はBRT本復旧の合意を受け、交流人口拡大に向けた利便性向上や地域活性化に努める意向を表明。深澤祐二副社長は「受け入れていただき大変ありがたい。引き続きBRTの利便性向上に向け、地元自治体と協議しながら進めていきたい」と語った。 同様に震災で被災し、BRTで仮復旧している気仙沼線沿線自治体の首長会議も開かれた。宮城県南三陸町と登米市は受け入れで合意したが、気仙沼市は「市民の理解、JRとの議論が必要」とし、震災から5年を迎える来年3月11日までに結論を得るよう努めることとした。 |
沿線3市長が受け入れ