大阪大学(大阪府吹田市)の大学院情報科学研究科の50代の男性教授が、少なくとも1億5千万円の研究費を不正に処理していた疑いのあることが25日、大学への取材でわかった。一部を私的に流用していた可能性もあり、阪大は教授の処分や刑事告訴を検討している。

 阪大関係者によると、男性教授は取引がある業者に架空の物品を発注し、その代金を「預け金」としてプールさせる手法などで、研究費を目的外に使用していたとみられる。不正処理は長年にわたり、総額1億5千万円以上にのぼるという。

 男性教授の不正経理に関する情報が寄せられたため、阪大は昨年から調査委員会を設置。男性教授のほか、阪大に関わる複数の研究者が関係していたとみて調べている。25日午後、記者会見を開き詳細を説明するという。

 阪大では9月にも、NPO研究の第一人者として知られる大学院国際公共政策研究科の教授が、約900万円の公的研究費を不正使用したとして停職3カ月の処分を受けている。11月には学内の宿泊施設の利用者から徴収した宿泊料約2300万円を着服したとして、大学本部事務機構の職員を懲戒解雇した。