厭債害債(或は余は如何にして投機を愛したか)

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<<   作成日時 : 2015/12/25 00:12   >>

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GPIFさんは最近はユーチューブなども使って広報活動に非常に力を入れておられます。四半期の運用結果の報告記者会見の模様とかもアップされていて、興味深いです。
別の方のツイッターで知ったのですが、三谷理事長が、昨年来の運用方針の転換について説明する動画も24日にアップされているようです。
https://www.youtube.com/watch?v=alpc-Qh6cfk

ワタクシの誤解であれば申し訳ないのですが、日銀出身の三谷理事長はもともと大きなリスクをとって運用する方針にそれほど乗り気ではなかった、と理解していますが、アベノミクスの大きな流れの中で、GPIFはリスクを取るべき主体に位置付けられ、資産運用の判断責任も新たにCIOが招聘されるなどの変化がもたらされています。その中で、このタイミングで三谷理事長自ら出演して「昨年来の」運用方針変更の背景について説明する動画を配信するというのは、なかなか興味深いものがあります。

GPIFはその運用目標を「賃金上昇率+1.7%」という形で厚生労働大臣から指定されているということで、アベノミクスでやたら賃上げにこだわる理由もその辺との絡みもありそうに思いました。アベノミクスでは日銀の異次元緩和が手段の一つになっていて、金利は間違いなく低利です。三谷理事長も動画の中でおっしゃっているように、過去は賃金上昇率がマイナスだったから債券でも回せた。しかし賃金上昇率をプラスにしていけば当然債券中心のポートフォリオでは「賃金上昇率+1.7%」の予定収益率を確保することは困難となります。勢い、ポートフォリオの資産配分のリスク資産ウェイトが高まらざるを得ない。

もちろんリスク性資産を積み増すということはリスクも大きくなるということです。動画の中では債券を持ち続けることで1%金利が上がった時10兆円の損失がでるということをおっしゃっていましたが、仮に135兆円の運用資産をすべてリスク資産に置いたら、7.5%の相場変動で10兆円の損失になるわけで、為替や株をやっている人ならそんなもの一日で出てしまうこともあるし、そもそも最近第二四半期の運用損みたいな短期的な議論のなかでいろいろ言われているような現実を考えると、そのような損益の議論は不毛だと思います。あらためて長期的な経済の見通しや背景に加え、その持つ年金の性格(賦課方式なのか積立方式なのかとか)も十分加味した議論が必要であろうと思いました。

繰り返しになりますが、最近のGPIFさんのユーチューブなどをつかった広報活動や理事長自らのメッセージに、ワタクシは非常に意味深いものを感じてしまわざるを得ないです。

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