さくらインターネットがIoT向け「垂直統合型」モバイル通信プラットフォームを来春に発表へ
昨晩開催されたさくらインターネット【3778】の公開イベントの壇上で、同社がIoT(Internet of Things)関連プロダクトおよびサービス専用のモバイルデータ通信プラットフォームを提供する予定であると発表した。2月に開催されるイベントで詳細が発表されるということだったが、公開されているスライドを見る限り、単なるMVNO(仮想移動体通信事業者)事業への参入というよりは、さくらインターネットのクラウドに繋がる垂直統合型の環境のようだ。
提供されるのはSIM(どこのキャリアと契約するかは不明)とハードウェアに通信機能を追加するSIMモジュール、そこにBLE(ブルートゥース接続環境)と各種センサーが合体したもので、このパッケージを使えば、各種ハードウェアにモバイル通信環境を提供できるようになる。例えばフィットネス器具にこのモジュールを使えば、そこから取れる生体データをモバイル通信を使ってサーバーに送ることができる。
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面白いのはその送り先がさくらインターネットのクラウドで、閉じたネットワークであるという点だ。いわゆる閉域網でオープンなインターネットに比較して安全性が高く、個人情報などセンシティブなデータの取り扱いに向いている。以前、さくらインターネットはテックビューロと協業してブロックチェーン関連のテストを始めているが、おそらくこういった取り組みも、このモバイル通信網の構想があったからかもしれない。
クラウド上に送られたデータはAPIを叩いて取得することができるようで、前述のような例でフィットネス器具から取得した個人の生体データはこのAPI経由で取り出すことができる。スマートフォンで自分の体重変化などをチェックするようなオンラインサービスに利用できる、というわけだ。発表では2016年春にクローズドβをリリースし、その募集を2月に開始するということだった。
この分野ではソラコムが先行しているが、彼らがSIMのコントロール以外全てオープンなのに対し、こちらは全てさくらインターネットが用意する垂直統合型である点が大きな相違となるだろう。
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