大規模修繕に消費税の軽減税率が適用される?
「アベノミクスの景気が良くなった」と言われますが、中々そのような実感は得られていない方が多いのではないでしょうか?
しかし、一方で消費税は5%から8%に値上げされ、2017年には10%への値上げが予定されています。給与が増えない中で、消費税が値上げされるということは支出が増える、ということです。
この増税に対し、一般社団法人マンション管理業協会(以下:管理協)から大規模修繕に工事に掛かる消費税に対して、軽減税率適用の要望書が国交省に提出されました。
当社では、マンション支出である管理費を削減し、貯金である修繕積立金が増やす、という提案していますが、修繕工事に軽減税率が適用されれば、管理費削減と同じように支出が減りマンションの資金計画が楽になります。
この軽減税率の要請の背景と内容について紹介します。
大規模修繕工事に対する軽減税率適用要請の背景と根拠
この要請内容は、(そのままですが)『大規模修繕工事費の消費税に対して軽減税率の適用を求める』というものです。なお、管理協から国交書に提出された要望書には、具体的に消費税率何%を要望という明記はされていませんでした。
要請の背景
この要請の背景には大きく分けて2つの理由があります。
1:修繕工事の先送り懸念
消費税増税によって、修繕工事費が足りなくなり(もしくは足りていたとしても)、工事を先送りする懸念があるためです。劣化しないマンションは存在しないため、必要に応じてメンテナンスをしなければなりません。
大規模修繕は「新築当初の建物や設備の外観や機能を取り戻すために行う」という考えのもと行われるものですが、工事の先送りにより維持できない可能性があるとしています。
景気循環という観点からも工事がスムーズに実施されることが望ましいと書かれています。
2:修繕積立金の費用負担
高経年のマンションと高齢者の数は正比例で増えています。修繕工事が必要なマンションが増えていくとともに、高齢者の世帯も増えていきます。そして、高齢者の世帯収入は減少していくと予想されています。
修繕積立金の負担が増してしまえば、それを払えない高齢者世帯が増えてくると想定しており、深刻な不足によって、一度管理不全のマンションになってしまえば、極端な例ですがスラム化なども進む恐れがあります。
なお、2015年時点で、築30を経過数マンションの戸数は151万戸、10年後には296万戸になると想定されています。
要望の根拠
この要請の根拠は大きく分けて2つです。
1:マンションの意義
マンションは住居という役割ではなく、まちづくりにも寄与しています。また地域のコミュニティ行事などもマンションで行われています。夏祭りや防災訓練などは、マンションという垣根を越えて、地域行事として実施されています。
2:マンションの特質
大規模修繕は個人資産のためではなく、共有資産である共有部への工事であるため、個人住宅とは性格が異なるという理由です。
また共有部への工事であるがゆえに、非営利であり、相互扶助的な組織である管理組合が工事を決定しています。
なお、修繕積立金は管理組合で資金運営しているものですが、足りないからといって、容易に修繕積立金を値上げしたり、一時金を集めるということはできません。
これが消費税軽減税率適用の背景と根拠です。詳細は平成28年度税制改正に関する要望で確認することができます。
管理協の要請について
マンション管理に携わり、マンションに暮らす身としては、ぜひ実現してほしい要望だなと感じます。なぜなら修繕積立金は多くの管理組合で不足しているからです。
大規模修繕で1億の工事を発注したとして、8%の消費税であれば800万円、10%の消費税であれば1000万円です。その差は200万円です。12年サイクルで大規模修繕を行うとしても、1組合あたり、年額約16万の修繕積立金の負担増となります。
マンションの管理費と消費税〜5個の管理費値上げ対策なども紹介させていただいていますが、個々の管理組合できる対応が、修繕積工事に発注方式を検討する、無駄な工事を減らず、管理費を削減するなどであれば、消費税軽減税率は国が組合にできる対応と言えるのではないでしょうか?
マンションの管理費と消費税〜5個の管理費値上げ対策
マンションの管理費と消費税の関係 あなたのマンションでは消費税の増税によって管理費は値上げされましたでしょうか?それとも管理費...
なお、この要望と合わせて、固定資産税と都市計画税については軽減措置を講じるように要請していました。
これらの要望はぜひ実現してほしいですね。