韓国企画財政部が16日発表した来年度の経済政策運用方向は、政策の「青写真」というよりも、政府の苦悩がにじみ出たものだった。輸出を上向かせ、成長動力にすることよりも低成長、低物価によるリスクを避けようと全力を挙げる印象だ。ヒョン・オソク、チェ・ギョンファンの両氏に続き、朴槿恵政権で3代目の経済チームを率いる次期副首相はまだはっきりしないが、「未踏の道を進む」という点でチェ・ギョンファン副首相と同じ立場に直面するとみられている。経済が持続的に成長し、その副産物であるインフレをずっと心配してきた韓国経済は今、低成長のわなに陥り、デフレを懸念すべき立場へと経済環境が180度変わったからだ。
0%台をようやく脱した低物価と輸出低迷が重なり、韓国経済は低物価→企業の売り上げ減少→成長低迷→所得減少→消費低迷→低物価という悪循環に陥る兆しを見せている。世界的な経済環境が大きく改善する見通しが立たない中、企画財政部は来年の経済政策の軸を輸出よりも内需に置かざるを得ない状況だ。
来年の経済政策運用方向は、全国14の市・道別に「規制フリーゾーン」を設け、地域に特化した産業で規制を緩和することが目玉だ。企画財政部の李燦雨(イ・チャンウ)経済政策局長は「輸出よりも内需をてこ入れしようという意味合いだ」と述べた。
■成長率より物価上昇率重視
企画財政部は来年度の成長率目標を実質経済成長率3.1%、名目経済成長率(実質経済成長率に物価上昇率を加えた数値)で4.5%に設定した。企画財政部はこれまで実質成長率を目標設定に使用してきたが、突然名目成長率を掲げた。名目成長率では実質成長率がマイナスに転落しない限り、実質成長率よりも数値がやや上回る。実質成長率を高めるのは難しいため、政府が名目成長率で「錯覚効果」を狙ったとの批判もあるが、企画財政部は「低物価のリスクを反映した」と説明した。
企画財政部幹部は「日本は2000年から約10年、実質成長率が0.5%前後だったが、物価上昇率がマイナス1%だったので、名目成長率はマイナス0.5%だった。低物価が進むと名目成長率が重要になる」と述べた。
政府は結局、韓国経済で「低成長、低物価」が定着し、日本の「失われた20年」のような長期不況に入る可能性が高いと認めた格好だ。低物価が続けば商品をたくさん売っても企業の売り上げや利益が減少したり、横ばいで推移したりして、投資不振と消費低迷につながる。延世大の成太胤(ソン・テユン)教授は「名目成長率が低下すれば、企業の投資低迷だけでなく、政府の税収も減り、国家経済全体が縮小する」と指摘した。