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東京五輪で一掃? 「エロ本」消滅危機の中、80年代エロ本が生んだ濃密なアングラカルチャーを懐かしむ

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2015.12.17
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本橋信宏・東良美季『エロ本黄金時代』(河出書房新社)

「エロ本」がいま、絶滅の危機に瀕している。

 出口のまったく見えない出版不況により、あらゆる本、雑誌の売れ行きがどんどん落ち込んでいる昨今だが、そのなかでもことさらに深刻なダメージを受けているのが、「エロ本」業界だ。

 インターネット上に落ちている無料アダルト動画などに顧客を取られ、2000年代中盤以降、いよいよその不況が表面化。英知出版、司書房、東京三世社といったアダルト系の有名な出版社が次々と姿を消した。また、出版社がなくならないまでも、成人誌、特に実写系成人誌の刊行をストップさせる出版社も後を絶たない。ワニマガジン社はアダルトコミック部門に比重を移し、実写系のエロ本は消滅。コアマガジンも「ビデオ・ザ・ワールド」をはじめとして実写系成人誌の休刊が相次いだ。つい先日も、25年以上の歴史をもつ素人投稿誌「ニャン2倶楽部」が編集部ごとマイウェイ出版に移籍するとの発表が出されたばかりだ。

 そして、東京オリンピックが開催される2020年、エロ本業界はさらに窮地に立たされるのではないかと言われている。なんと、コンビニから成人誌がなくなるのではないかと噂されているのだ。五輪誘致の時にコンビニに並ぶエロ本を見て「IOC視察団が顔をしかめた」との話もある。中小規模の書店が次々と閉店し、コンビニが重要な販路となっている現在のアダルト系出版社にとって、これは死活問題だ。しかし、国際的な大規模イベントの際に、風俗街などが無慈悲につぶされるのはよくあること。例えば、1990年に大阪で「国際花と緑の博覧会」が開催された時には、日本橋・梅田・難波のソープ街が一掃されたという例もある。もしも東京都がコンビニに並ぶ成人誌に危機感をもっているなら、この噂は現実のものとなるだろう。

 このように、現在では死屍累々なエロ本業界だが、思い返してみれば、80年代のエロ本は、文化の最も「エッジ」な部分を担う存在であった。そんなエロ本華やかなりし時代を振り返った書籍、『エロ本黄金時代』(本橋信宏・東良美季/河出書房新社)が先ごろ出版された。

 今かろうじて生き残っているエロ本は「本」とは名ばかりで、商品の主役はアダルトビデオメーカーから借りた素材をそのまま収録した付録のDVD。肝心の「本」の部分は、DVDの内容をまとめただけの、あってもなくてもいいような薄い冊子でしかないのが実情だ。

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