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 法務省は18日、2人の死刑を執行した。1人は裁判員裁判で判決を受けた死刑囚。2009年5月に裁判員制度が開始して以来、初めて市民が判断した死刑囚に刑が執行された。死刑の執行は今年6月以来、約半年ぶり。昨年12月の第3次安倍政権発足以来、2度目で、2012年12月の自民党への政権交代後では8度目、計14人目となった。

 法務省によると、死刑が執行された1人は、津田寿美年死刑囚(63)。09年5月30日、川崎市幸区の自宅アパートで大家の男性ら3人を包丁で刺して殺害した殺人の罪で、11年6月に横浜地裁の裁判員裁判で死刑が言い渡された。弁護人が控訴したが、同年7月に本人が取り下げ、プロの裁判官が裁く高裁や最高裁の判断を経ずに確定した。

 もう1人は若林一行死刑囚。06年7月19日、岩手県洋野町内の会社員女性(当時52)の自宅に侵入し、帰宅した女性とその次女(同24)を絞殺。現金約2万2千円などを奪って2人の遺体を町内の山林に遺棄した強盗殺人や死体遺棄の罪で12年1月に死刑が確定した。

 法務省によると、今月13日時点で収監されている確定死刑囚は128人となっていた。

 今年10月に就任した岩城光英法相にとっては、初の執行となった。これまで岩城法相は「裁判所の判断を尊重しつつ、法の定めるところに従って、慎重かつ厳正に対応すべきものと考えている」と述べていた。死刑制度については「国民世論の多数が、極めて悪質、凶悪な犯罪については死刑もやむを得ないと考えている。廃止は適当ではない」としていた。