ブリュッセル=吉田美智子
2015年12月17日15時19分
欧州に押し寄せる難民に対応するため、欧州連合(EU)の行政を担う欧州委員会は15日、人の移動の自由を定めたシェンゲン協定加盟国の国境を警備する「欧州国境・沿岸警備隊」の創設を発表した。17、18日のEU首脳会議で議論する。
国際移住機関によると、今年12月までに地中海を渡り、欧州に入った難民は90万人を超えた。協定加盟国の域内は出入国審査が廃止されている。沿岸国のギリシャやイタリアに到着した難民がドイツなどを目指して移動し、欧州各地で混乱が起きた。
欧州委の提案によると、欧州国境・沿岸警備隊は、既存の欧州対外国境管理協力機関を強化する形で創設される。加盟国から提供された必要な装備を常備し、3日以内に1500人規模の人員を展開できる態勢を整えるという。また、緊急時には加盟国の同意なしに介入できるようするため、一部の国からは「加盟国が関与できない」などの批判が出ている。(ブリュッセル=吉田美智子)
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朝日新聞国際報道部
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