鈴木逸弘
2015年12月17日19時47分
南海トラフ沿いの巨大地震対策の一環で、国の有識者検討会は17日、大地震の際に高さ60メートル(20階建て程度)超の高層ビルなどに見られる「長周期地震動」の揺れの予測を推計し、報告書にまとめた。最大級の地震が発生した場合、東京や大阪などの高層ビルでは、最大2~6メートルの幅の横揺れの可能性があると指摘した。内閣府は、建物の管理者らに必要な点検や措置を取るよう促す。
内閣府に設置した「南海トラフの巨大地震モデル検討会」(座長=阿部勝征東大名誉教授)がまとめた。長周期地震動による高層ビルへの影響を推計したのは初めて。
検討会は南海トラフ沿いで過去約300年間に発生した5回の巨大地震と、それを上回る最大級の地震の揺れを検証。関東~九州の太平洋側を中心に、揺れが1往復する「周期」が2~10秒の長周期地震動が、高層ビルや室内に及ぼす影響を推計した。
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