老後資金は3,000万円必要といわれますが、「そんなに貯める自信がなくて不安」だという人も多いのではないでしょうか。
しかし『年収300万~700万円 普通の人が老後まで安心して暮らすためのお金の話』(扶桑社)の著者・佐藤治彦さんによると、この金額はナンセンス。
老後資金は1,500万円でも3,000万円でもないのだそうです。
なぜならお金がいくらあっても、不安はなくならないからです。それに、人によって必要なお金も異なります。
もっとも大切なのは、しっかり家族と話すこと。ケチケチ節約しても、家庭不和を招いたのでは意味がありません。
また、自分にはいくら必要なのか、しっかり計算することも大切です。忘れるべきでないのは、健康、家族との話し合い、そして知識。
そして、老後に備えるためにやってはいけないことがあるのだといいます。いくつかご紹介しましょう。
■1:節約と我慢ばかりする
最近の老後資金本は、節約と我慢ばかりを強いているような気がします。ですが、節約ばかりしていても、あまり意味はありません。それよりは、時給800円のパートを週に1回した方がお得なこともあります。
我慢ばかりしていませんか? それは本当に老後のためになっていますか?
節約ばかりではなく、無駄な買いものをしていないか注意しましょう。不安にかられて1円2円を節約しても、「ちりも積もれば」せいぜい「小山」です。
■2:バーゲンで洋服を買う
バーゲンで服を買うのはやめましょう。安いからとバーゲンで買っても、それほど着ないはず。
どうせなら流行の品をいち早く買って、着倒して、オークションに出しませんか?
正価でもこだわって買いものした方が、長く着られるので結果としてお得。買いものにはこだわりを持つことをおすすめします。
■3:チョコチョコ買いをする
また、チョコチョコ買いもいけません。
たとえばスタジアムや映画館で、「ついでにポップコーンとコーラ、フランクフルトも買おう」といろいろ買ってしまったり。それだけでなく「物足りないから」と晩ごはんも食べたり。そして太って洋服が着られなくなったからダイエット……。
こんな生活していませんか?
自分が本当に欲しいものしか買わない、そう意識を変えてみてください。
■4:キャッシングをする
お金が足りないとき、キャッシングを利用していませんか?
キャッシングして生活費を補填しても、来月には支払+利息を払わねばなりません。それだけ無駄が積み重なるのです。
今月借金をするということは、来月の生活費が減るということ。「今月は予定外の出費があったから」。では、来月はないといい切れるのでしょうか?
また、毎月の赤字をボーナスで補填するのもやめましょう。ボーナスは、ボーナスが出た月から、その次のボーナスが出る間までの臨時支出として使ってください。
家計を健全に見なおせば、支出の無駄がわかります。そして知らず知らずのうちに貯金体質になっているのです。
ギャンブルなど、もってのほか!
■5:保険制度の確認をしない
保険制度の確認も重要です。
保険には民間保険と公的保険の2種類があります。公的年金制度だけでも、遺族年金や障害年金などの制度があります。
遺族年金なら、夫が亡くなっても子どもが18歳まで年間100万円がもらえます。厚生年金ならさらに積み増しがあります。
これなら、子どもが生まれた時点で1,800万円の生命保険に入っているのと同じことになります。公的年金は払った方がお得なのです。また、「ねんきん定期便」をしっかりと確認しましょう。
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なにより大切なのは、「完璧な老後の準備はできない」と覚悟することだと著者はいいます。幸せな老後を迎えるために、家族で、特に夫婦で話し合いましょう。
そのためには、知識が必要です。本書を読んで知識をつけ、老後の不安を減らしてくださいね。
(文/渡邉ハム太郎)
【参考】