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死と愛、ときどきハンドサイン - 『ザ・トライブ』 - 1953ColdSummer

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死と愛、ときどきハンドサイン - 『ザ・トライブ』


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・トライブ
PLEMYA/THE TRIBE
2015(2014)/ウクライナ/R18+ 監督/ミロスラヴ・スラボシュピツキー 出演/ヤナ・ノヴィコヴァ/グリゴリー・フェセンコ/他 
少年は愛を欲望した
少女は愛なんか信じていなかった



SCUM/スカム』の少年院を彷彿とさせる寄宿制聾唖学校の陰惨な描写がマル。マルですマル。天候も悪ければ見通しも悪く、人間のタチも悪いこの学校では教師までもがグルになって管理売春や薬物、窃盗に励んでいるのです。そんな学校に入学してしまった主人公セルゲイ君。武器は手話と機転だ! というのは半分嘘で半分本当なのですが、冒頭で“字幕も吹替も一切用いない”と高らかに宣言する本作に於ける手話は言わばノイズの排除であり、ここで言うノイズとは台詞によるくさいコミュニケーションや葛藤の描写を指します。そしてノイズが排除された結果何が残るのかと言うと、もっと原始的なランゲージ、肉体言語が残るのだという事はだいたい予想がつくのであって、ことばを伝えるために動かしていた手が、激情を伝える武器になりて人間を打擲するその様は、映画がいつか来た道通った道。サイレント映画へのオマージュを目論んでいたらしいこの映画に於ける肉体言語は、それが暴力に類するものであろうが性愛に類するものであろうがガッツンガッツンぶつかり合う。長回しやフィックスと併せて緩急つけているのもマル。マルですマル。ほで、手話の騒々しさとでも言うべき手のバタつきは、エモーショナルを伝える上でのボトルネックになっているのかと言うとそんな事もなく、普段、口頭で会話している人間の引例的な映画化そのもの。もし自分が手話でコミュニケーションを図るようになったら、と一考させられる。が、そんなifの可能性の行き着く先を考えてみても、映画が実際どういう結末に着地したかを考えても、閉塞感、そして絶望感しか醸されるものがないのは自分の想像力の貧困故か、それともこの映画の力が強すぎる故か。兎角指で輪っかを作ってマル。マルですマル。ニッ。


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