“エロメン”としての仕事はたくさんありました。 撮影は月1回しかありませんが、トークショーやサイン会、ブロマイド販売にランチデート会、ハグ会など、ファンイベントが盛りだくさん。 まさにアイドルです。本来はキモ男優でしたから、今まで誰も僕をそんな目で見なかった。 それが、突然チヤホヤされて、「かっこいい」と褒めそやされる。確かに気分はいいですよ。一時は天狗になっていたかもしれません。
一方で、アイドル視されることへのストレスも感じ始めていました。 皆さんの期待に応えようと、かっこつけてセクシーなことを言ってみたり、ファンの前ではトイレすら我慢していましたから。今思えば、無理をしていたのです。
そんなふうにお世話になったシルクラボですが、14年に、創立5周年の特別な仕事を頂いた直後でした。 ちょうど同時期に他メーカーから「元国民的アイドルのAVデビュー作の男優をやってほしい」という依頼があったのです。 契約上、どちらか一方にしか出ることはできない。事の道理から言えば、先に話のあったシルクラボを優先すべきです。 しかし僕は、「元アイドルとセックスできるチャンスなんて、めったにないぞ!」と舞い上がり、不義理をして他メーカーとの仕事を選んでしまった。 以降、シルクラボの作品には出ていませんし、“エロメン”からも自ら降りる選択をしてしまいました。 愚かな判断だったと思います。しかし、僕は欲に忠実な人間。遅かれ早かれ、こうなっていたでしょう。
女性向けAVで学ばせてもらったことには、本当に感謝しています。 女性に気遣いができるようになり、プライベートでも、時間をかけて背中や指を愛撫するなど、本当に女性を気持ちよくさせるセックスを心がけるようになりました。
…第四回へつづく
1983年東京都生まれ。2005年にAV男優としてデビュー。 以後、多数の作品に出演し、10年のシルクラボ作品出演を機に“エロメン三銃士”として活躍。 以前の芸名「ムーミン」から「ムータン」と改名して活動を続けている