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「就学支援金」で不正の疑い 高校など捜索12月8日 16時06分
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高校の授業料の実質無償化に代わって新たに導入された「就学支援金」の制度を巡り、三重県にある株式会社が運営する高校の通信制に、受給資格がない複数の生徒が入学し、支援金が不正に支給されていた疑いがあることが分かりました。東京地検特捜部は詐欺の疑いで強制捜査に乗り出し、関係先としてこの高校や運営する会社などを捜索しています。
就学支援金制度は高校授業料の実質無償化に代わって去年4月から導入され、世帯の年収に応じて生徒1人当たり最大で年間およそ30万円を国が生徒に代わって学校に支給するもので、すでに高校を卒業している生徒などは支給の対象になっていません。
関係者によりますと、株式会社が三重県伊賀市で運営する「ウィッツ青山学園高校」の通信制の課程に、すでに別の高校を卒業するなどして受給資格がない複数の生徒が入学し、国から支援金が不正に支給されていた疑いがあるということです。
東京地検特捜部は8日、詐欺の疑いで強制捜査に乗り出し、生徒の自宅のほか、関係先として、ウィッツ青山学園高校や、高校を運営する株式会社「ウィッツ」、運営会社の親会社で東京・中央区にある「東理ホールディングス」などを捜索しています。
この高校は、株式会社の学校運営を認める国の「教育特区」となった伊賀市で平成17年に設立され、全日制と通信制がありますが、市によりますと、通信制の生徒は全国に広がり、その数は全日制の50倍以上の1100人余りに上っているということです。
東京地検特捜部は今後関係者から事情を聴くなどして、実態解明を進めるものとみられます。
捜索を受けていることについて、ウィッツ青山学園高校はNHKの取材に対し、「責任者が不在で、現段階ではコメントできない」と話しています。
また、東理ホールディングスは「捜索を受けているかどうかも含めてコメントできない」としています。
関係者によりますと、株式会社が三重県伊賀市で運営する「ウィッツ青山学園高校」の通信制の課程に、すでに別の高校を卒業するなどして受給資格がない複数の生徒が入学し、国から支援金が不正に支給されていた疑いがあるということです。
東京地検特捜部は8日、詐欺の疑いで強制捜査に乗り出し、生徒の自宅のほか、関係先として、ウィッツ青山学園高校や、高校を運営する株式会社「ウィッツ」、運営会社の親会社で東京・中央区にある「東理ホールディングス」などを捜索しています。
この高校は、株式会社の学校運営を認める国の「教育特区」となった伊賀市で平成17年に設立され、全日制と通信制がありますが、市によりますと、通信制の生徒は全国に広がり、その数は全日制の50倍以上の1100人余りに上っているということです。
東京地検特捜部は今後関係者から事情を聴くなどして、実態解明を進めるものとみられます。
捜索を受けていることについて、ウィッツ青山学園高校はNHKの取材に対し、「責任者が不在で、現段階ではコメントできない」と話しています。
また、東理ホールディングスは「捜索を受けているかどうかも含めてコメントできない」としています。
就学支援金とは
就学支援金は、高校の授業料を国が生徒に代わって学校に支給する制度です。民主党政権が平成22年度に高校の授業料を実質無償化した際、私立高校については、世帯の年収に応じておよそ12万円から24万円の就学支援金を国が高校に支給する制度が導入されました。
公立高校はおよそ12万円を国が負担していましたが、自民党政権になって制度が見直され、去年4月からは公立、私立ともに就学支援金を支給する制度に一本化されました。
支援を受けられるのは年収がおよそ910万円未満の家庭の生徒で、1人当たり年間およそ12万円が支給されます。
私立の場合は、家庭の負担が大きいとして加算があり、▽年収が350万円から590万円ほどの場合は1.5倍、▽250万円から350万円ほどの場合は2倍、▽250万円に満たないくらいの場合は2.5倍のおよそ30万円が支給されます。
また、法律では、高校を卒業している人や在学期間が通算で36か月を超える人はこの支援を受けることはできないと定められていて、不正に支給させた場合の罰則規定が設けられています。支援を受ける際には課税証明書と申請書の提出が必要で、申請書には高校などに在籍した期間を記入する欄がありますが、文部科学省によりますと、高校を卒業していないかどうかの確認は特に行っていないということです。
文部科学省によりますと、昨年度、新たな制度で就学支援金を利用したのはおよそ94万人で、今年度の予算額は3805億円となっています。
公立高校はおよそ12万円を国が負担していましたが、自民党政権になって制度が見直され、去年4月からは公立、私立ともに就学支援金を支給する制度に一本化されました。
支援を受けられるのは年収がおよそ910万円未満の家庭の生徒で、1人当たり年間およそ12万円が支給されます。
私立の場合は、家庭の負担が大きいとして加算があり、▽年収が350万円から590万円ほどの場合は1.5倍、▽250万円から350万円ほどの場合は2倍、▽250万円に満たないくらいの場合は2.5倍のおよそ30万円が支給されます。
また、法律では、高校を卒業している人や在学期間が通算で36か月を超える人はこの支援を受けることはできないと定められていて、不正に支給させた場合の罰則規定が設けられています。支援を受ける際には課税証明書と申請書の提出が必要で、申請書には高校などに在籍した期間を記入する欄がありますが、文部科学省によりますと、高校を卒業していないかどうかの確認は特に行っていないということです。
文部科学省によりますと、昨年度、新たな制度で就学支援金を利用したのはおよそ94万人で、今年度の予算額は3805億円となっています。