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ノーベル賞 梶田さん「身が引き締まる思い」
12月7日 21時16分

ノーベル賞 梶田さん「身が引き締まる思い」
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ノーベル物理学賞を受賞する東京大学宇宙線研究所所長の梶田隆章さんが、スウェーデンのストックホルムでNHKの単独インタビューに応じ、「受賞者として身が引き締まる思いを感じています」と述べました。
ノーベル物理学賞の授賞式に出席するためストックホルムを訪れている梶田隆章さんは、7日、共同記者会見のあと、NHKの単独インタビューに応じました。
この中で梶田さんは「ほかの受賞者と並んで会見に出ましたので、改めて受賞者だなと身が引き締まる思いを感じています」と述べました。
また、これまでの定説を覆して、素粒子の「ニュートリノ」に質量があることを証明する発見につながった鍵については、「観測データをきちんと見て、何かあったときに、それをうやむやにしなかったことだと思います。研究者は、宇宙や自然をきちんと見ることから始めないといけない」と振り返りました。
また、13年前に同じくノーベル物理学賞を受賞した恩師の小柴昌俊さんについて、「小柴先生のおかげで賞を頂いたというのが正直なところです。小柴先生が、スーパーカミオカンデが必要だと提案されて、今回、このような研究ができたので」と感謝の気持ちを改めて示しました。
また、同じく恩師で7年前に亡くなった戸塚洋二さんについては、「戸塚先生はスーパーカミオカンデの代表者として、建設から初期の運用をずっとやっていただき、戸塚先生がいてくれたからこのような研究ができました。また、常に私にいろいろとアドバイスをしてくれて、できれば生きてここに来ていただければと、そう思いました」と一緒に受賞したかったという胸のうちを明かしました。
一方、岐阜県飛騨市神岡町にある観測施設から次の物理学賞の受賞者を出したいという夢について、梶田さんは「自然は、われわれの思うとおりになっているのか分かりませんので、いろいろな可能性をある程度幅広くカバーしていくことが重要だと思います。その中から、本当に重要な発見が出るかもしれません。岐阜県の神岡町で頑張っている皆さんと共に、引き続き頑張っていきたい」と述べました。
また、日本の科学界が直面する課題については、「大学関係は非常に厳しく、毎年、財源が減っていき、心までもだんだんしぼんできていると思うので、どうにかして、それを上向き志向に変えない限り、日本の将来の科学というのは厳しいと思う」と危機感を示し、ノーベル賞の受賞者の役割として改善に取り組んでいく考えを示しました。

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