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仏の地方選、極右政党が躍進 テロで治安に関心

2015/12/7 9:54
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 【パリ=竹内康雄】2017年のフランス大統領選の前哨戦と位置づけられる地域圏議会選挙の第1回投票が6日行われた。仏メディアによると、極右政党、国民戦線(FN)が13の選挙区のうち少なくとも6選挙区でトップに立った。11月13日のパリ同時テロの影響で有権者の関心が治安問題に移り、移民や難民の受け入れに反対する急進政党に支持が集まったとみられる。

6日、フランス北部エナン・ボーモン市で記者団に囲まれる国民戦線(FN)のマリーヌ・ルペン党首=ロイター
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6日、フランス北部エナン・ボーモン市で記者団に囲まれる国民戦線(FN)のマリーヌ・ルペン党首=ロイター

 オランド大統領が所属する国政与党の社会党がトップに立ったのは3選挙区。サルコジ前大統領率いる右派グループは4選挙区で首位だった。仏全土の得票率はFNが30%、右派グループが27%、社会党が23%。仏メディアは「FNの歴史的な躍進」(経済紙レゼコー)と表現した。

 投票締め切り後に記者会見したFNのルペン党首は「すばらしい結果だ」と称賛した上で「我々には国の団結を実現する資格がある」と、難民の受け入れ停止といった公約を実現する考えを示した。社会党幹部は仏紙に「テロの影響が大きかった」と語った。

 地域圏議会選はフランスで最も大きい単位の自治体の議員を選ぶ。6日の第1回投票で10%以上の票を得た政党が13日の第2回投票に進み、トップとなった党が議長職を得る。FNが過去に地域圏で単独与党になったことはない。議会選は17年の大統領選前の最後の大型選挙で、大統領職を狙うルペン党首にとって大きな足がかりになる可能性が出てきた。

 社会党は6日夜、2選挙区で第2回投票に進出するのを断念することを決めた。2選挙区は北部のノールパドカレー・ピカルディーと南東部プロバンス・アルプ・コートダジュールで、ルペン党首とめいのマリオン・マレシャル・ルペン氏がそれぞれ立候補していた。社会党のカンバデリス第1書記はFNの単独与党実現を阻止するため、FN以外の政党に投票するよう支持者に呼びかけた。

 ▼フランス地域圏議会選 中央集権制が根強いフランスで地方分権化の要求から1964年、複数県を束ねた広域地方行政区の地域圏が設置された。日本で導入が検討される「道州制」に相当するとされる。86年から地域圏議会、議長らの選挙(1回投票制)が実施され、2004年からは2回投票制となった。第1回投票で過半数の票を得た政党があれば議席確定。そうでない場合は得票率10%以上の政党が第2回投票で争い、第1党から議長が出る。前回まで本土は22地域圏だったが、今回から13地域圏に再編された。(パリ=共同)

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